皆さんこんにちは、元カーディーラー営業マンです。
最近は、めっきり涼しくなったというよりも、朝夕は肌寒くなってきましたね。2ヶ月前にカーエアコンの故障の原因の記事を書いた時は、35度を超える猛暑だったのが嘘のようです。
さて、これからの季節に気を付けなければいけないのが、スタッドレスタイヤの交換と、冬場の燃費、そしてメンテナンスです。夏とは違った燃費の向上方法とメンテナンスを、私の失敗談も交えながら解説していきます。
※本記事は2026年10月時点で、JAFや各種報道などで確認した情報をもとにしています。車種によって操作や仕様が異なることがあるので、必ずお手持ちの車の取扱説明書もご確認ください。私の車はガソリン車です。
冬は「燃費が落ちやすい季節」|でも、使い方で取り戻せる
冬は、一年の中でも燃費が落ちやすい季節です。主な理由は次のとおりです。
- エンジンが温まるまでに時間がかかる…冷えたエンジンは、温まるまで燃料を多めに使います
- タイヤの空気圧が下がる…気温が下がると空気が縮み、転がり抵抗が増えます
- スタッドレスタイヤに替える…夏タイヤより柔らかく、燃費はやや落ちる傾向があります
- 暖房やデフォッガー(熱線)など、電気を使う装備が増える
でも、「冬だから仕方ない」とあきらめなくて大丈夫です。暖房の使い方、走り出し方、タイヤの空気圧。ちょっとした工夫で、無駄な燃料の消費はかなり減らせます。
暖房は「A/Cスイッチを切ったヒーター」が燃費の味方
私が一番のおすすめにしているのは、オートエアコンの「A/C」スイッチを切って、ヒーターだけで暖房する使い方です。
なぜA/Cを切ると燃費が良いのか
車の暖房は、エンジンが走るときに出る熱(排熱)を利用して温風を作っています。もともと捨てていた熱を車内に引き込んでいるだけなので、暖房のために追加でガソリンを使うことは、ほとんどありません。
一方、A/Cスイッチを入れると、除湿のためにエアコンのコンプレッサーが動きます。コンプレッサーはエンジンの力で回るので、その分ガソリンを余計に使います。
| 暖房の方法 | 仕組み | 燃費への影響 |
|---|---|---|
| A/Cを切ったヒーター | エンジンの排熱を利用 | ほとんど影響なし |
| A/Cを入れた暖房 | コンプレッサーを動かして除湿しながら温度調整 | 燃費が悪化しやすい |
| シートヒーター | 電気(発電機の電力)で座席を温める | 少し影響あり。ただし立ち上がりは早い |
夏から冬に切り替えた直後は、ガラスが曇りやすい
夏のオートエアコンから、冬のオートヒーター(A/Cを切った状態)に切り替えた直後は、ガラスが曇りがちです。でも、冬は空気が乾燥しているので、しばらく使っているうちに、徐々に曇らなくなっていきます。
雨の日や、同乗者が多くて曇りが取れないときは、A/Cを入れるか、デフロスター(扇形のマークのボタン)を使って湿気を取りましょう。視界が最優先です。視界が回復したら、またA/Cを切れば大丈夫です。車によっては、デフロスターを使うとA/Cが自動で入るものもあります。詳しくは取扱説明書で確認してください。
乗り始めの数分は、シートヒーターが便利
エンジンが冷えている乗り始めは、ヒーターから冷たい風しか出ません。この数分間は、シートヒーターがあれば使うと快適です。温風が出てきたら、ヒーターを中心にして、シートヒーターは弱めるか切ると、無駄がありません。
▶ ハイブリッド車や電気自動車は、暖房の仕組みが少し違います。ハイブリッド車はエンジンの熱が少ないため、暖房のためにエンジンが始動することがあります。電気自動車は電気で暖めるので、暖房が走れる距離に直結します。私はガソリン車なので、詳しくは取扱説明書やお店で確認してください。
夏のエアコンの使い方や故障の原因は真夏の炎天下、カーエアコンの故障の原因は?で書いています。ガソリン代全体を安くする方法はガソリン代と高速代を年間3万円安くする方法でお話ししています。
冬の暖機運転は「走りながら」がちょうどいい
昔は、冬の朝は「エンジンをかけて、しばらく温めてから走り出す」のが当たり前でした。でも今の車は、コンピューターが燃料の量を自動で調整してくれるので、極寒地など一部の場合を除いて、停まったまま長く暖機する必要はなくなっています。
おすすめは、停まったまま待つのではなく、ゆっくり走りながら車全体を温める「走行暖機」です。
- エンジンをかけたら、シートベルトを締めてミラーやナビを整えたら出発する
- 走り出して最初の数分は、急加速や急ブレーキを避けて、やさしくアクセルを踏む
- エンジン、オイル、ミッションは、停まっているよりも走っているほうが早く温まる
ただし、フロントガラスが凍っていたり、曇って視界が悪かったりするときは別です。安全に走るために、デフロスターで視界が確保できるまで温めてください。また、氷点下10℃を下回るような極寒地では、少し長めにアイドリングする方がよい場合もあります。
停まったままの長いアイドリングは、燃料の無駄になるだけでなく、排気ガスや騒音で近所の迷惑にもなります。地域によっては、アイドリングを制限する条例もあります。
【失敗談】凍ったフロントガラスに水をかけたら、余計に凍った
ここで、数年前の冬の私の失敗談をお話しします。
その日、通勤前にフロントガラスがカチカチに凍っていました。しかも出発の時間はギリギリです。焦った私は、水道のホースから凍ったガラスに水をかけてしまいました。

結果は、最悪でした。水をかけたところが、余計に凍りついてしまったのです。凍る前よりも、溶けるのに時間がかかるようになってしまいました。
おまけに、急いでいたので、デフロスターを全開にして、そのうえワイパーを動かして、凍った氷を払おうとしました。でも、氷はなかなか溶けません。冬の朝にやってはいけないことを、まとめてやってしまった朝でした。
なぜ「お湯も水も」ダメなのか
- ガラスが割れる危険がある…フロントガラスは、複数の素材を重ねた合わせガラスです。素材ごとに熱で膨らむ度合いが違うため、急に温度が変わると割れることがあります。お湯はもちろん、私のように水でも再凍結で氷が厚くなります
- 再凍結する…気温が氷点下だと、かけた水はすぐにまた凍ります。走り出してから視界が真っ白になることもあります
- ワイパーを無理に動かすと壊れる…ワイパーのゴムがガラスに張り付いたまま動かすと、ゴムが切れたり、モーターに無理な力がかかったりします
- 金属などの硬いもので削ると、ガラスが傷つく…傷が入ると、夜の対向車のライトが乱反射して見えにくくなります。氷を削るときは、樹脂(プラスチック)製のスクレーパーを使い、力を入れすぎないようにしてください
正しい対処は、前の夜と、朝の余裕
| タイミング | やること |
|---|---|
| 前の夜 | フロントガラスにカバー(凍結防止シート)をかけておく。検証でも、カバーをかけた車はガラスが凍らなかったと報告されています |
| 朝(凍っていたら) | 解氷スプレーを使う、またはエンジンをかけてデフロスターの温風を当てて、じっくり溶かす |
| 朝(出発前) | 10分ほど余裕を持って出る。余裕があれば、氷が溶けるまで待てる |
私のおすすめは、朝の支度をしている間に、デフロスターの温風で氷を溶かしておくことです。身支度をしているうちに、氷は溶けています。

【エンジンをかけたまま離れるときの注意】エンジンをかけたまま車から離れると、盗難の危険があります。アイドリングを制限する地域もあります。近所への音や排気ガスにも気を付けて、短い時間にとどめてください。
そして何より、余裕を持って出発することが、事故の防止にもなります。急いでいる朝ほど、ガラスの凍結や路面の凍結で危ない目に遭いやすいのです。
雪が積もっていたら
フロントガラスに雪が積もっているときは、順番が大事です。
- ① スノーブラシで、雪を大きく落とす…ワイパーで雪を押して払うのはNGです。ワイパーのアームが曲がったり、モーターが壊れたりします
- ② 屋根の雪も落とす…屋根に雪が残っていると、ブレーキをかけたときにフロントガラスへ落ちてきて視界をふさぎます。後続車への落雪の危険もあります
- ③ 残った氷や薄い雪は、デフロスターや解氷スプレーで溶かす
- ④ ウォッシャー液で仕上げる…冬は、寒冷地用など凍りにくいウォッシャー液に替えておくと安心です
雪が降りそうな日の前の夜は、ワイパーを立てておくと、ガラスへの凍りつきを防げます(車種によっては立てられないものもあります)。カバーをかけておけば、朝に外すだけで雪が払えて、時間も節約できます。
冬は「バッテリー上がり」が増える季節
冬は、バッテリーにとってきびしい季節です。理由は2つあります。
- 寒さでバッテリーの力が落ちる…バッテリーは、低い温度では中の化学反応が鈍くなります
- 電気の使用量が増える…暖房のファン、デフロスター、リアガラスの熱線、シートヒーターなどで、電気をたくさん使います
バッテリーの寿命と点検
バッテリーの寿命は、JAFでは一般的なガソリン車で2〜5年、アイドリングストップ車で2〜3年としています。乗り方によって、かなり差が出ます。
- 短くなる乗り方…近所への買い物など、5〜10分ほどの短い距離ばかりの運転や、週に1回しか乗らない使い方
- 長持ちしやすい乗り方…長い距離を走る乗り方
使い始めて2〜3年たっていたら、冬が来る前に一度、点検を受けておくと安心です。ガソリンスタンドやカー用品店、ディーラーなどで、電圧と状態を見てもらえます(無料で見てくれる店もあります)。エンジンを止めた状態の電圧は、12.5V前後が目安です。
点検のときに「要交換です」と言われたら、使っている年数と、測った電圧の数字を聞いてみてください。納得してから交換を決めれば大丈夫です。
こんな症状は、交換のサイン
- エンジンをかけたときの「キュルキュル」というセルモーターの音が重く、遅い
- パワーウィンドウの動きが遅くなった
- 夜、停まっているときのヘッドライトが暗い
- アイドリングストップが働かなくなった
- バッテリー本体が膨らんでいる、端子のまわりに白い粉がふいている
ただし、最近のバッテリーは、前ぶれなく突然だめになることもあります。新品から2年以上たっているなら、症状が出ていなくても点検をおすすめします。
▶ バッテリーの交換は、最近の車では、交換後に設定のリセットが必要なものや、バッテリーの状態を車が管理しているものも多くあります。自分で交換するより、お店に任せるほうが安心です。古いバッテリーは、家庭ゴミでは出せません。
バッテリーが上がったときの対処法
万が一、バッテリーが上がったら、ほかの車(救援車)から電気を分けてもらうブースターケーブルでエンジンをかけられます。ただし、つなぐ順番を間違えると、火花が出て危険です。次の順番を守ってください。
【つなぐ順番】両方の車のエンジンを止め、サイドブレーキをかけてから始めます。
- ① 赤のケーブルを、上がった車のプラス端子につなぐ
- ② 赤のもう一方を、救援車のプラス端子につなぐ
- ③ 黒のケーブルを、救援車のマイナス端子につなぐ
- ④ 黒のもう一方を、上がった車のエンジンの金属部分(塗装されていないところ)につなぐ
- 救援車のエンジンをかけ、少し回転を上げて数分おいてから、上がった車のエンジンをかける
外すときは、つないだときと逆の順番で、1本ずつ外します。④の黒をバッテリーのマイナス端子ではなく、離れた金属部分につなぐのは、バッテリーから出るガスに火花が引火するのを防ぐためです。
- ハイブリッド車、電気自動車、プラグインハイブリッド車は、救援する側になれません…大きな電流が流れて、車の回路が壊れるおそれがあります。ただし、ハイブリッド車が上がったときに、ガソリン車から救援を受けることはできます(つなぐ場所は車種ごとに決まっているので、取扱説明書で確認してください)
- エンジンがかかっても、すぐに止めない…バッテリーはほとんど空の状態です。30分ほどは走って充電しましょう。そのあと早めに点検を受けてください
冬は、ロードサービスが混み合って、到着まで時間がかかることもあります。加入している保険やJAFのロードサービスの連絡先を、前もって確認しておくと安心です。
タイヤの空気圧と、スタッドレスへの交換
空気圧は、冬こそこまめに
気温が約10℃下がると、タイヤの空気圧は7〜10kPaほど下がるといわれています。空気圧が足りないと、転がり抵抗が増えて燃費が悪くなり、走りも不安定になります。
- 冬は、2〜3週間に1度を目安に点検する(最低でも月1回)
- 合わせる数字は、車に貼ってある「指定空気圧」です。運転席のドアの内側や、給油口のふたの裏などに貼ってあります。多めに入れればよい、というものではありません
スタッドレスタイヤは、初雪の前に
雪や凍結が心配な地域では、スタッドレスタイヤへの交換は、雪が降る前に済ませておきましょう。交換が遅れると、お店が混み合って予約が取れなくなったり、突然の雪で慌てたりします。
▶ スタッドレスタイヤの選び方はスタッドレスタイヤはBLIZZAK(ブリザック)が支持される本当の理由で、スタッドレスとオールシーズンタイヤのどちらが合うかはオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤどっちがいい?で書いています。
使わない荷物は降ろしておく
冬は、車に積みっぱなしになりがちなものがあります。使わない時期のチェーンやスコップ、スキーキャリアなどは、降ろして軽くすると、燃費にもプラスです。ただし、雪道で必要な装備(スノーブラシ、解氷スプレーなど)は、車に積んでおくと安心です。
【安全第一】エンジンをかけたままの仮眠について
ここからは、安全に関わる大事な話です。
私は、車中泊や釣り場での仮眠のときに、A/Cスイッチを切ったヒーターで、エンジンを3〜5時間ほどかけっぱなしにしたことがあります。そのときの私の体感では、意外とガソリンはあまり減っていませんでした。
ただし、これは私の車と、そのときの気温での体感です。ガソリンの減り方は、車種や気温、エアコンの使い方で大きく違います。数字を保証できるものではありません。
私が気を付けていること
- A/Cを切ったヒーターを使う…コンプレッサーが動かないので、比較的静かです
- 周囲に迷惑がかからない場所を選ぶ…エンジン音や排気ガスは、近くの人にとっては迷惑です。アイドリングを制限している場所もあります
- オートヒーターなら、外気導入と内気循環は自動で切り替わる。マニュアルのヒーターなら、外気導入にする
絶対にやってはいけないこと
【命に関わります】車庫の中や、雪でマフラー(排気口)がふさがった状態で、エンジンをかけたまま仮眠をしてはいけません。一酸化炭素中毒の危険が非常に高いです。

JAFのテストでは、雪でマフラーの周りをふさぐと、約20分で車内の一酸化炭素の濃度が検知器の上限(1000ppm)に達しました。そのまま3時間ほどたつと、死に至る危険があるという結果が出ています。一酸化炭素は、においも色もありません。眠っている間に、気づかないまま意識を失うことがあります。
- 雪が降っている場所では、エンジンをかけたまま眠らない
- 車庫やトンネルなど、ふさがった場所でエンジンをかけたまま眠らない
- 雪で立ち往生して、やむを得ずエンジンをかけるときは、マフラーの周りをこまめに除雪し、窓を少し開けて換気する(JAFの実験では、窓を5cmほど開けるだけでも濃度が抑えられました)
- エンジンに頼らずに寒さをしのぐ工夫も大事です。窓の断熱シェード、寝袋、湯たんぽなどを用意しましょう
「意外と減らなかった」という私の体感は、あくまで、条件のそろった場所での話です。安全を最優先にして、くれぐれも無理をしないでください。
まとめ|冬の燃費とメンテナンスの早見表
| 項目 | やること | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| 暖房 | A/Cを切ったヒーターが基本。曇ったときだけA/CかデフロスターをON | A/Cを入れたままの暖房(燃費が悪化しやすい) |
| 暖機運転 | ゆっくり走りながら温める「走行暖機」 | 長時間の停まったままのアイドリング |
| ガラスの凍結 | 前夜にカバー。朝は解氷スプレーかデフロスター。10分の余裕を持つ | お湯や水をかける、ワイパーを無理に動かす、金属などで削る |
| ガラスの積雪 | スノーブラシ→屋根の雪→デフロスターの順 | ワイパーで雪を押し払う、屋根の雪を残して走る |
| バッテリー | 2〜3年たったら冬前に点検。上がったらケーブルを正しい順番でつなぐ | ケーブルをマイナス端子に直接つなぐ、ハイブリッド車などで救援する |
| タイヤ | 指定空気圧に合わせて、2〜3週間に1度点検。スタッドレスは初雪の前に | 指定より多く入れれば燃費が良くなる、と思い込む |
| 仮眠 | 場所を選び、A/Cを切ったヒーターで。周囲に配慮 | 雪の中や車庫の中での仮眠(一酸化炭素中毒の危険) |
冬の朝は、10分の余裕と、前の日のひと手間が、燃費にも、安全にも効いてきます。愛車を上手に乗るには、夏には夏の、冬には冬の、ちょっとしたコツがあります。ぜひ試してみてください。
この記事が皆様の参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。
この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)
35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

