試乗車・代車・他人の車で事故を起こしたらどうなる?元カーディーラー営業マンが保険のリアルを解説

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皆さんこんにちは。今回は試乗車や代車、他人の車で事故を起こしてしまった場合にどうすればいいのかを、最近のディーラー事情を踏まえて解説していきます。

新車検討時に他車比較のために必ず乗る試乗車で事故を起こしてしまったら…修理に出している自分の車の代わりに借りている代車で事故を起こしてしまったら…友人から借りている車で事故を起こしてしまったら…。

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普段なにげなく行っている行動も、よく考えるとかなりのリスクを背負っています。自分の車で事故を起こした場合でも冷静に対応するのは難しいもの。まして他人から借りている車や試乗中の車の事故となれば、もっと冷静ではいられないでしょう。そういった場合でも、対処法を知っていればむやみにパニックになることはありません。

最近のディーラー試乗車の保険加入事情

ディーラーにより差はありますが、最近のカーディーラーの試乗車の自動車保険加入事情は次のような内容になっています。

  • 対人賠償:無制限
  • 対物賠償:無制限
  • 人身傷害保険:3,000万円
  • 一般車両保険(自損事故でも対応):車両価値分

注目すべきは「一般車両保険」が含まれている点です。10年前では車両保険には加入しておらず、事故があった場合の車両損害についてはお客様の自動車保険を使うか、お客様が実費でお支払いするかのいずれかでした。

なぜディーラーは車両保険に加入するようになったのか

以前の記事自動車保険、本当に必要な補償とは何か?でお伝えしたように、一般車両保険に加入するということは今までの約3倍の保険料を支払うということです。

コストが3倍にもなるにも関わらず加入する理由はただ一つ、事故時のスムーズな処理と対応のためです。お客様にも会社にも迷惑をかけず、商談を中断させないために、ディーラー側が「自己投資」として保険料を負担するわけです。

他車運転特約とは?試乗車事故の基本パターン

通常、試乗中の事故に関しては「他車運転特約」が使われます。

他車運転特約の内容

他車運転特約とは、「自家用8車種に限り(一般家庭で使用される大半の乗用車)、借用中の自動車を運転中の事故について、借用中の自動車とみなしてご契約の自動車の契約内容に従い、所定の保険金をお支払いする」という特約です。

つまり、試乗中の事故はお客様自身の自動車保険を使って解決するというのが基本パターンになります。

お客様の保険が使えないケース

ただし、次のような場合は他車運転特約が使えません。

①お客様自身が自動車保険に加入していない

②同居の親族も自動車保険に加入していない

③同居の親族は加入しているが、運転者限定で適応されない

④お客様が別居の未婚の子でも実家の親族が②③に当てはまるケース

これらの場合、対人・対物・人身傷害保険はディーラーの自動車保険で対応しますが、試乗車自体の損害はお客様に実費で請求することになっていました。これが10年前までの基本スタイルです。

ちなみに代車事故の損害については、対人・対物・人身傷害保険はお客様が加入している前提です。代車を借りる時点で、ご自身の自動車保険の他車運転特約が前提条件になります。

車両保険の落とし穴:自損事故と車対車の違い

車両保険で難しいのは、自損事故か、相手の車がある事故かによって使える保険が変わってくる点です。

  • 相手の車がある事故 …車対車限定の車両保険で対応可能
  • 自損事故(電柱・ガードレール衝突、単独スリップなど) …一般車両保険でないと対応不可

つまり、お客様が「車対車限定」しか加入していない場合、試乗中の単独事故では車両保険が使えないということになります。これも見落としがちなポイントです。

もう一つの落とし穴:保険金額が車両価格に届かない

さらに「借用中の自動車とみなしてご契約の自動車の契約内容に従い、所定の保険金をお支払いする」という部分が曲者です。

たとえば、お客様の自動車保険の車両保険部分が300万円、事故した試乗車が500万円だった場合、200万円足りなくなります

ここ数年の製造原価高騰・円安・約30年ぶりのインフレにより、車の本体価格はずいぶん高くなりました。お客様の保険金額の設定が古いままだと、最新の高級車に試乗した際にこのギャップが大きくなりがちです。

ディーラーの車両保険があれば不足分もカバー

お客様が保険を使えない場合、または使えても金額が足りない場合は、ディーラーが保険を使います

保険を使えば金額によりディーラーの翌年の保険料は上がりますが、もちろんお客様に請求はありません。これが「コスト3倍でも一般車両保険に加入する」理由です。

すべてのディーラーがそうしているわけではないのですが、ディーラーはお客様に安心して試乗していただき、ディーラー自身も売り上げを伸ばすために必要な自己投資として、試乗車に一般車両保険を加入しているのです。

営業マンに確認すべきこと

試乗する前には、ぜひ営業マンに「試乗車に一般車両保険は付いていますか?」と確認してみてください。

「付いています、安心して試乗してください」とすぐに答えられるディーラーは、お客様への姿勢がしっかりしている証拠です。逆に「お客様の保険でお願いします」と言うところは、リスク管理の体制が古いままかもしれません。ディーラーの姿勢が見える質問と言えるでしょう。

友人・他人の車を借りるときは要注意

ディーラーの試乗車・代車であればまだ救いがありますが、友人や他人の車を借りる場合はディーラーのようにはいきません

友人の車での事故が起きたら

  • 対人・対物・人身傷害はあなた自身の他車運転特約でカバーされる(自家用8車種限定)
  • 車両損害は、あなたの車両保険の補償範囲・金額に依存
  • 友人の車両保険を使うと友人の等級が下がるので、原則使えない
  • あなたの保険金額が足りなければ、差額は自己負担

友人の好意で借りた車で事故を起こしてしまうと、賠償・修理代の自己負担に加えて、人間関係まで壊れる可能性があります。これは現役時代に何件も見てきました。

借りる前にやるべきこと

  • 自分の自動車保険に「他車運転特約」が付いているか確認(最近はほとんど自動付帯)
  • 運転者限定の範囲を確認(家族名義の限定だと友人から借りた車で使えない場合あり)
  • 車両保険の金額が、借りる車の車両価値以上か確認
  • 借りる車の車検証で自家用8車種に該当するか確認

少し面倒に感じるかもしれませんが、リスクを知って運転すれば、万が一の場合も対処がスムーズです。何も知らずに事故を起こしてから「どうしよう」となるのとは天と地ほどの差があります。

事故が起きてしまったら:基本の流れ

試乗車・代車・他人の車に限らず、事故対応の基本フローは共通です。

  1. 負傷者の救護 …これが最優先。119番
  2. 二次災害の防止 …ハザードランプ、三角表示板、安全な場所への移動
  3. 警察への通報 …110番。事故証明がないと保険が使えない
  4. 相手側との連絡先交換 …氏名・住所・電話番号・保険会社・車両ナンバー
  5. 警察の現場確認 …損傷状況、位置関係、信号、標識など
  6. 自分の保険会社へ連絡 …他車運転特約の適用可否を確認
  7. 車の所有者への連絡 …ディーラーや友人へ即連絡

関連記事もしも事故が起こったら…交通事故時の正しい対処法では、事故対応チェックリスト(保存版)を紹介しています。スマホに保存しておくと、いざという時に焦らず対応できます。

まとめ:知識は最大の安心材料

  • 最近の良心的なディーラーの試乗車には一般車両保険が付いているケースが増えている
  • 試乗前に「車両保険は付いていますか?」と一言聞くと、ディーラーの姿勢がわかる
  • 友人や他人の車を借りる場合は自分の他車運転特約車両保険金額を必ず事前確認
  • 自損事故は「一般車両保険」、車対車は「車対車限定」でも対応可
  • 車両価格の高騰により、保険金額不足のリスクが増えている
  • 知識があれば、万が一の事故でもパニックにならず冷静に対応できる

試乗・代車・借用車のいずれも、便利で楽しい一方で普段意識しないリスクを背負っています。今回の記事を読んで、ご自身の保険内容や運転前のチェック項目を一度見直してみてください。

この記事が参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。

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この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)
35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

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