「ガソリン代が高くてかなわん」
営業マンをしていたころ、点検でご来店されたお客様から、これを何百回聞いたか分かりません。今も状況は変わっていません。むしろ悪くなっています。
車に乗るかぎり、ガソリン代と高速代からは逃げられません。ですが「払い方」と「乗り方」を少し変えるだけで、年間で数万円は変わります。
私は現在、片道約20kmの通勤で毎日車に乗っています。家族での遠出で高速を使うのが年に5〜6回。この記事では、私自身が実際にやっている方法と、営業マン時代にお客様へお伝えしていた燃費の話を、35年以上の現場経験からお話しします。
先に結論|年間でいくら変わるのか
数字がないと動けませんので、先にお見せします。
年間13,000km走行、燃費15km/L、ガソリン175円/L、高速代が年間45,000円という条件で計算しました。私自身の使い方に近い設定です。
| やること | 年間で浮く額 |
|---|---|
| 土日のクーポンで給油する(8円/L引き・給油の半分に適用) | 約3,400円 |
| クレジットカード払いで1%還元を取る | 約1,500円 |
| 空気圧・整備・運転の見直しで燃費5%改善 | 約7,600円 |
| 高速の休日割引30%を使う | 約13,500円 |
| ETCマイレージのポイント還元 | 約1,500円 |
| 合計 | 約27,500円 |
ざっと年間3万円近くです。1つひとつは数千円ですが、全部やると馬鹿にならない額になります。
しかもこれは今の車に乗ったままの話です。次に車を買い替えるときに車種の選び方を間違えなければ、差はこの何倍にもなります。最後にその話もします。
【ガソリン編】私が実際にやっている給油の仕方
まず自分の話から。
営業マンだったころは会社のSSカードで給油していました。営業から離れてからは、当然そんなものはありません。自腹です。
今やっているのは、この2つの組み合わせです。
- 近所のガソリンスタンドのLINE公式アカウントに登録して、土日の割引クーポンをもらう
- 支払いは楽天カードでポイントをもらう
これだけです。特別なことは何もしていません。
LINE登録で土日7〜10円/L引き
これが一番効きます。
近所のスタンドでLINE登録しておくと、土日の給油で7円/L〜10円/L引きのクーポンが配信されてきます。50L入れれば350〜500円です。月に2回給油するなら、それだけで年間1万円近くになります。
登録は店頭に貼ってあるQRコードを読み込むだけ。1分もかかりません。やらない理由がありません。
大手スタンドの週末割引の傾向
全国展開している主要チェーンの多くで、土日限定の値下げや週末特売が実施されています。
ただし「全国どこでも一律◯円引き」と決まっているわけではありません。フランチャイズ加盟店(運営会社)ごとの判断で実施されるのが一般的です。ですから、ご近所のスタンドがどうなっているかは、実際に登録してみないと分かりません。
| チェーン | 週末割引の主な入手ルート |
|---|---|
| ENEOS | LINE公式アカウントで土日限定クーポンや週末割引バーコードが配信されるケースが多い。EneKeyやENEOSカードの併用でさらに安く |
| apollostation(出光・シェル) | 「Drive On」アプリが主流。マイ店舗に登録すると金・土・日限定のクーポンや特売通知が届く |
| コスモ石油 | アプリ会員(Carlife Service)向けの週末還元が手厚い。カード利用の会員価格と二重取りができる |
| キグナス石油など中堅・格安SS | 週末に特売日を設ける店舗が多く、看板価格自体が土日に1〜3円安くなることも |
共通して言えるコツは3つです。
- 公式LINEに登録する…金・土・日限定の「2〜5円/L引き」クーポンが届きます
- 公式アプリを入れる…Drive On(出光)やCarlife Service(コスモ)は週末クーポンの一番の配信ルートです
- セルフ店を選ぶ…フルサービス店より、セルフのほうが週末の値引きやイベントが活発な傾向があります
支払いは「あれこれ考えなくていいカード」で
私が楽天カードを使っている理由は、単純です。
公共料金以外は一律1%のポイントが付くので、あれこれ考えずにオールマイティに使えるからです。「この店ではこのカード」と使い分けるのは、正直めんどうです。続きません。
もうひとつ、これは意外と知られていないのですが——普段使いのメインカードにして会員ランクをプラチナ会員やダイヤモンド会員で維持しておくと、楽天のノーマルカードでもETCカードの年会費が無料になります。
ETCカードは年会費500円台のことが多いので、これだけで毎年数百円が浮きます。ガソリン代と高速代を、1枚のカードでまとめて安くできるということです。
▶ 楽天カードの還元率、会員ランクとETC年会費の関係、SS系カードとの比較は楽天カード・楽天ETCカードを年会費無料とポイント還元率で深掘りで詳しくお話ししています。
「楽天は使っていない」という方もいらっしゃると思います。カードは他にも選択肢があります。大事なのはブランドではなく、ETCカードの年会費まで含めた総額で見ることです。
▶ ETCカードの年会費を払わずに済ませる方法はETCカードの年会費を払わない方法に、還元率重視で選ぶなら三井住友カードゴールドNL・ETCカードを年会費無料・ポイント還元率で深掘りにまとめています。
【高速編】使える割引は3つあります

ここからが高速代の話です。
ETCの割引は、大きく3つあります。まずこの3つを頭に入れておいてください。
| 割引 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 深夜割引 | 毎日 0:00〜4:00 | 30%割引。時間内に走っていれば自動適用 |
| 休日割引 | 土・日・祝の終日 (交通混雑期等・3連休を除く) | 約30%割引。普通車・軽自動車等が対象。都市部の一部路線も対象外 |
| 平日朝夕割引 | 平日 6:00〜9:00/17:00〜20:00 | 月の利用回数に応じて実質30〜50%相当の還元。ETCマイレージの登録が必須 |
※割引制度は見直されることがあります。実際に使う前に、NEXCO各社の公式サイトで最新の内容をご確認ください。
要注意|休日割引は「連休」には効きません
ここは絶対に押さえておいてください。休日割引には除外期間があります。
NEXCOの案内には「土曜・日曜・祝日の終日(交通混雑期等・3連休を除く)」と書かれています。つまりお盆・ゴールデンウィーク・年末年始といった混雑期、そして3連休は、休日割引が適用されません。
皮肉な話です。家族で遠出をするのは、まさにその連休なのですから。「土日だから30%引きだろう」と思って予算を組んでいると、当てが外れます。
ですから連休の遠出では、深夜割引(毎日0時〜4時・30%割引)を狙うほうが確実です。深夜割引には混雑期の除外がありません。しかも早朝に出発すれば渋滞そのものを避けられます。料金と時間、両方が得になる。連休の遠出はこちらをお勧めします。
除外される具体的な日程は年によって変わりますので、出発前にNEXCO各社のサイトでご確認ください。
「その場で安くなる」か「あとから戻る」かが全然違います
ここを分かっていない方が多いので、はっきり書いておきます。
| 深夜割引・休日割引 | 平日朝夕割引 | |
|---|---|---|
| 仕組み | 即時割引(料金そのものが安くなる) | 後日還元(あとからポイントで戻る) |
| 料金所の表示 | 割引後の料金が出る | 通常料金が出る |
| 事前登録 | 不要(ETCカードを挿すだけ) | 必要(ETCマイレージ登録が必須) |
深夜割引と休日割引は、何もしなくても勝手に安くなります。ETCカードを挿しておけばいいだけです。
ですから家族での遠出なら、この2つを狙うのが一番効果が大きいと私は考えています。年5〜6回の遠出でも、休日割引が効けば1万円以上変わります。
平日朝夕割引は「月5回以上」がスタートライン
一方こちらは、条件が細かいので整理します。
| 月の利用回数(1日〜末日) | 還元率 |
|---|---|
| 4回以下 | 0%(一切なし) |
| 5〜9回 | 約30%還元 |
| 10回以上 | 約50%還元 |
- 月4回以下だと1円も戻りません。翌月への繰り越しもありません
- 朝・夕それぞれ1日1回まで。同じ時間帯に2回乗っても、カウントは1回目だけ
- 1回あたり100kmまでが還元の対象
- NEXCOの地方部が対象。東京・大阪近郊の都市部は対象外
正直に申し上げると、私自身はこの割引を使えていません。通勤で高速を使わないからです。片道20kmですが、田舎なので土手沿いを走れば渋滞もなく25〜30分で着いてしまいます。高速に乗る意味がないのです。
ですから「毎日高速で通勤している」という方以外は、ここは無理に狙わなくていいと思います。それより深夜割引と休日割引です。
ETCマイレージだけは、登録しておいてください
平日朝夕割引を狙わない方でも、ETCマイレージサービスの登録だけはしておくべきです。登録は無料です。
支払額に応じてポイントが貯まり、「還元額(無料通行分)」に交換すれば、次回の通行料金として使えます。登録していないと、走っても何も貯まりません。ここで損をしている方がとても多いのです。
交換レートは貯めるほど良くなります。
- 1,000ポイント → 500円分(還元率5%)
- 3,000ポイント → 2,500円分
- 5,000ポイント → 5,000円分(還元率10%)
※NEXCO3社等の場合です。
ポイントの有効期限だけ気をつけて
ここが唯一の落とし穴です。
ポイントの有効期限は「付与された年度(4月〜翌3月)の翌年度末(3月31日)」まで。最長で約2年です。同じ年度に付いたポイントは、いつ付いたものでも一律で同じ日にまとめて失効します。
ただし一度「還元額」に交換してしまえば、有効期限はなくなります。ここが大事なところです。
私のおすすめはこの組み合わせです。
- 「ポイント自動還元」を設定しておく…5,000ポイントに達すると、毎月20日に自動で最高レートの5,000円分へ交換されます
- 毎年3月に一度だけマイページを見る…5,000ポイントに届かない端数は自動交換されません。失効しそうなら手動で1,000ptや3,000ptに交換します
年に1回、3月に確認するだけ。これで取りこぼしがなくなります。カレンダーに入れておいてください。
▶ ETC・ETC2.0・ETCマイレージサービスはそれぞれ別のものです。違いと使い分けはETC・ETC2.0・ETCマイレージサービスの違いと使い分けで整理しました。
道路会社によって、割引はまったく違います
ここも知らないと損をします。同じ高速道路でも、運営会社と区間で割引が変わります。
| 道路会社・区間 | 休日割引 | 深夜割引 | 平日朝夕割引 |
|---|---|---|---|
| NEXCO(地方部) | あり(30%) | あり(30%) | あり(最大50%還元) |
| NEXCO(大都市近郊) | なし | あり(30%) | なし(一部例外あり) |
| 首都高速 | なし | あり(20%) | なし |
| 阪神高速 | なし | あり(20%) | なし |
| 本州四国連絡高速 | あり(30%) | あり(30%) | なし(別の割引あり) |
押さえるべきは2点です。
- 休日割引は都市部では使えません。東京近郊・大阪近郊、首都高・阪神高は、渋滞を悪化させないため対象外です
- 深夜割引の率が違います。NEXCOや本四高速は30%ですが、首都高・阪神高は20%です
また、各県の道路公社が管理する有料道路(有料バイパスや観光道路など)では、ETC自体が使えなかったり、割引が一切適用されない独自の料金体系になっていることがあります。
遠出の前に「目的地までのルートが、どの会社のどの区間を通るか」を一度見ておくと、判断が変わることがあります。
ルートと乗り方の工夫
最後に2つだけ。
「賢い料金」制度——一部のインターチェンジ周辺にある道の駅などに立ち寄る際、条件を満たせばいったん高速を降りて再度乗っても料金が通算される仕組みがあります。休憩を取りたいときに使えます。
無料バイパスとの併用——全区間を高速で行かず、並行している無料バイパスや一般道を部分的に挟むだけで、全体の通行料金は抑えられます。所要時間との相談になりますが、選択肢として持っておいてください。
▶ 「クレジットカードは持ちたくない」という方でもETCは使えます。方法はETCパーソナルカードとは?クレジットカードなしでETCを使う方法で解説しています。
【車編】「ガソリン代が高い」と言われて、私が勧めていたこと

ここからは営業マン時代の話です。この記事で一番お伝えしたい部分かもしれません。
お客様から「ガソリン代が高い」と言われたとき、私はまず原因が2つのどちらなのかを切り分けていました。
- 車そのものの燃費が悪いのか
- 車の使い方・状態が悪いのか
ここを間違えると、買い替えても解決しません。順にお話しします。
原因①車の燃費が悪い場合|使い方で勧める車は変わります
「燃費のいい車」と一口に言っても、その方の使い方によって正解はまったく違います。私は次のように切り分けていました。
| 使い方 | 勧めていた車 | 狙える燃費 |
|---|---|---|
| 通勤が短い・買い物メイン | 軽乗用車(N-WGN、ムーヴ、ワゴンRクラス)。場合によりN-BOXなどのスーパーハイトワゴン | 15〜20km/L |
| 通勤が長い(片道20km以上)が高速はあまり乗らない | コンパクトカーのガソリン車(フィット、ヤリスなど) | 15〜20km/L |
| 通勤が長く、高速もよく乗る | ハイブリッド一択 | 20〜25km/L |
2番目のところ、なぜ軽自動車を勧めないのか。燃費だけ見れば軽でもいいはずです。
理由は体の負担です。片道20km以上を毎日走るとなると、軽自動車では疲れます。静粛性、シートの出来、直進安定性——ここがコンパクトカーとは違います。燃費で数千円浮かせても、体を壊しては意味がありません。ここは営業マンとしてはっきりお伝えしていました。
そして3番目、ハイブリッドの効果が一番はっきり出るのは、実はミニバンです。
ステップワゴンやセレナのようなミニバンは、ガソリン車の平均燃費が10km/L程度なのに対して、ハイブリッドなら約20km/L。倍です。車体が重いぶん、ハイブリッドの恩恵が大きく出ます。しかも静かでパワーもある。
年間13,000km走るなら、10km/Lと20km/Lでは年間のガソリン代が11万円以上変わります。先ほどの「年間3万円」がかすむ差です。買い替えのタイミングでの選択が、いかに大きいかということです。
▶ ガソリン車・ハイブリッド・電気自動車、結局どれを選ぶべきかは結局、EV・HV・GVどれが正解?元カーディーラー営業マンが日本人の最適解を解説でお話ししています。
原因②使い方・状態が悪い場合|買い替えても直りません
こちらのほうが、実は多いのです。
一回の走行距離が極端に短い場合(2km程度など)、カタログで15km/L出るはずの軽自動車やコンパクトカーでも、実際には7〜8km/Lまで落ちます。半分です。
エンジンが温まりきる前に目的地に着いてしまうからです。これは車のせいではありません。この方が新車に買い替えても、同じことが起きます。ですから私は、買い替えを勧める前に必ず使い方を聞いていました。
そのうえでお勧めしていたのが、次の3つです。
- タイヤの空気圧を少し高めに…前後2.5kg程度に設定しておくと転がり抵抗が減ります。月に一度は見てください
- プラグと点火系の点検・交換…点火が弱っていると燃焼効率が落ちます。点火コードも一緒に見てもらってください
- エアクリーナーの点検・交換…汚れていると空気が入らず、燃費に効きます
どれも数千円で済む話です。買い替えの前に、まずここを見てください。
▶ タイヤも燃費に直結します。転がり抵抗の少ない低燃費タイヤの選び方はタイヤ交換で損しない選び方|元カーディーラー営業マンがブリヂストン「エコピア」を勧める理由で解説しています。
最後に、運転のしかたの話
これもよくお伝えしていました。
2000年以降のエンジンは、薄い混合気で走るように設定されています。ですからアクセルを強く踏まなくても、スルスルと走り出します。
昔の車の感覚が残っている方ほど、発進時にアクセルを踏み込みがちです。ですが今の車は、それをする必要がありません。「そっと踏んでも、ちゃんと出ますよ」——これを一度体感していただくと、皆さん驚かれました。
お金も部品も要りません。今日から変えられて、効果が出るのはこれです。
まとめ|全部やらなくていい、3つだけ
この記事のポイントを整理します。
- ガソリン…近所のスタンドのLINEに登録して土日クーポンをもらう(7〜10円/L引き)。支払いは還元率1%のカードで
- カードはETCカードの年会費まで含めた総額で選ぶ。楽天なら会員ランク維持でETC年会費が無料になる
- 高速…深夜割引・休日割引は何もしなくても自動で30%引き。ただし休日割引は混雑期・3連休が除外。連休の遠出は深夜割引を狙う
- 平日朝夕割引は月5回以上が条件。毎日高速通勤でなければ無理に狙わなくていい
- ETCマイレージは登録必須。自動還元をオンにして、3月に一度だけ端数を確認する
- 休日割引は都市部では使えない。首都高・阪神高の深夜割引は20%
- 燃費が悪い原因は「車」か「使い方」かを先に切り分ける。短距離ばかりなら買い替えても直らない
- 空気圧・プラグ・エアクリーナー。そして発進でアクセルを踏み込まない
全部やる必要はありません。今日からやるなら、この3つで十分です。
- 近所のスタンドのLINEに登録する(1分で終わります)
- ETCマイレージに登録する(無料です)
- タイヤの空気圧を見てもらう(次の給油のついででいいです)
これだけで年間1万円以上は変わります。あとは、次に車を買い替えるときに、ご自分の使い方に合った1台を選ぶことです。そこが一番大きい。
ガソリン代は、これからも簡単には下がらないでしょう。だからこそ、自分でコントロールできるところだけ、きちんと押さえておく。それが一番確実です。
この記事が参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。
この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

