自動車保険、本当に必要な補償とは何か?元カーディーラー営業マンが「要る・要らない」をはっきり言います

車の維持費
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「自動車保険は車両保険も人身傷害保険もフルセットで入るのが常識」——

保険代理店やネットの情報では、こういう話が多いですよね。確かに補償が手厚いほど安心感はあります。でもその分、保険料は跳ね上がります。

35年以上ディーラーで営業マンをしてきた私が、今回は自動車保険について正直にお伝えします。

結論から言います。

本当に必要な自動車保険の補償は、対人賠償無制限と対物賠償無制限の2つだけです。

「え、車両保険は?人身傷害保険は?」——そう思った方、少し待ってください。「全員に不要」とは言っていません。「あなたの状況によっては不要なケースがある」という話です。その理由を順番に説明していきます。

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まず「絶対に入るべき補償」は2つだけ

対人賠償保険・無制限

車を運転していて、相手を死亡させてしまったり、重篤な後遺症を残すような怪我をさせてしまった場合、賠償額は数千万円〜数億円に及ぶことがあります。これは個人の資力でまかなえる金額ではありません。

対人賠償保険は「相手に与えた損害を保険会社が肩代わりする」補償です。上限額は必ず「無制限」にしてください。「1億円まで」などの上限付きは、最悪の事故が起きたとき、差額を自分で払うことになります。

対物賠償保険・無制限

相手の車や建物・ガードレール・電柱などを壊してしまった場合の補償です。高級外車を全損させた、電柱を倒した、店舗に突っ込んで営業補償を求められた——こういった事故は実際に起きています。こちらも上限なしの「無制限」が必須です。

この2つで「他人へのダメージを補償する」という自動車保険の根幹が守られます。逆に言えば、この2つさえあれば「相手への賠償」は万全です。


車両保険——「必要な人」と「不要な人」をはっきり分けます

車両保険とは、自分の車が事故・盗難・自然災害などで壊れたり失われた場合に補償してくれる保険です。一見、入っておいた方がいいように見えますが、ここには重大な落とし穴があります。

車両保険が「絶対に必要」な人

■ 残クレ(残価設定ローン)やローンで購入した人

これは絶対に入ってください。これだけは譲れません。残クレ中に車が全損(修理不能な状態)になった場合、「手元に車がない状態で、残っているローン残高と残価を一括返済しなければならない」という事態が起きます。つまり、車がなくなってもお金だけ払い続けることになる。車両保険(できれば自損事故も対象になる「一般型」)に入っていれば、保険金でローンの残債をまかなうことができます。

■ 現金購入でも、次の車の購入資金に余裕がない人

全損になった場合、次の車を買うための資金が手元になければ生活が困ります。「万一の時に困る方」は車両保険が必要です。

車両保険が「必ずしも必要ではない」人

■ 車を現金で購入した上、手元に再購入できる資金がある人

「もし全損になっても、また別の車を買える資金がある」という方は、車両保険がなくても実は困りません。これが「お金に余裕がある人ほど車両保険に入っていない」という、意外に知られていない事実の背景です。実際にそういったお客様に何人も会ってきました。

「それでも車両保険は入るべきでは?」と思う前に、この数字を見てください

現在の自動車保険料に占める車両保険の割合は、年間保険料の約50〜66%です。これは数年前(30〜50%程度)からさらに上昇しています。年間保険料が12万円の方なら、車両保険だけで6〜8万円払っている計算です。

なぜここまで高くなったのか。車の安全性能の向上と自動ブレーキの普及で、歩行者・対人の死亡事故は劇的に減りました。ところが、その一方で車対車の「物損事故」は増えています。当たっても軽傷・死亡に至らない事故が増えた分、車両保険の使用頻度が上がっているのです。加えて、「車両新価特約」の普及も保険料を押し上げる大きな要因になっています。

車両保険を「使った後」の本当のコスト

さらに見落とされがちな落とし穴があります。車両保険を使って修理または乗り換えをした場合、翌年の更新から3等級ダウン+「事故あり係数」の適用が3〜6年間続きます。

修理費として30万円受け取った場合でも、その後数年間の保険料増加分を合計すると、トータルで修理費と同額かそれ以上になることも珍しくない。車両保険は「修理費の後払い」に近い性格を持っているということです。


人身傷害保険——「同乗者」への補償をどう考えるか

人身傷害保険は、自分や同乗者が事故で怪我をした場合に、過失割合にかかわらず実費で補償してくれる保険です。一見、手厚い補償に見えます。でもここを整理すると、不要なケースが見えてきます。

「対人賠償保険」でカバーされる範囲

まず基本として、他人を乗せていて事故を起こした場合、その他人(第三者)の怪我は「対人賠償保険」で補償されます。問題になるのは「自分」と「家族(同居の親族や別居の未婚の子)」の怪我です。この人たちは対人賠償保険の対象外になるため、人身傷害保険がないと補償されません。

では家族の怪我はどうするか

これが人身傷害保険不要論の核心です。同居の家族・別居の未婚の子の怪我については、健康保険(社会保険)と高額療養費制度で対応できます。

高額療養費制度を使えば、月々の医療費の自己負担は所得に応じて上限が設定されます(多くの方で月8〜9万円程度が上限)。入院が長引いたとしても、健康保険の傷病手当金と高額療養費の組み合わせで、経済的な破綻は防げます。

【重要】万が一、世帯主が交通事故で亡くなってしまった場合、残された家族は生活が困窮する恐れがあるので、得に子供がいる家庭の世帯主はネット型の掛け捨て生命保険に必ず加入して下さい。月額3,000円程度で遺族年金とプラスで充分な補償が得られます。

「人身傷害保険料を毎年払い続けるコスト」「社会保険でカバーできる範囲」を冷静に比べると、保険に入らずに社会保障を活用する方が合理的なケースも十分にある、ということです。


「あえて入っておくと安心な特約」を2つだけ紹介します

①弁護士費用特約

事故の示談交渉において、弁護士を立てるかどうかで、受け取れる保険金や賠償額が大きく変わることがあります。特に怪我が伴う事故(むちうちや入院を伴う場合)では、弁護士が介入することで示談金が数倍になったケースも珍しくありません。

弁護士費用特約の年間保険料は、多くの場合数千円程度と非常に安価です。そのわりに「いざという時の威力」は絶大です。また、弁護士費用特約は1台に加入していれば、同居の親族全員に適用されます。家族みんなの「法的な盾」として機能します。

②個人賠償責任特約

これは自動車保険の特約でありながら、カバーする範囲が「日常生活全般」に及ぶのが大きな特徴です。たとえば——

  • 自転車で走っていて歩行者に衝突、大怪我をさせてしまった
  • 子どもが友達の家で高価な物を壊してしまった
  • 飼い犬が散歩中に他人を噛んだ
  • マンションの洗濯機の水漏れで階下に損害を与えた

こういった「日常生活の偶然な事故」で他人に怪我や財産的損害を与えた場合、法律上の賠償責任を補償してくれます。補償上限は多くの場合、国内無制限・国外は1事故につき1億円程度です。

弁護士費用特約と同様、1台の保険に加入していれば同居の親族全員・別居の未婚の子にも適用されます。一家全員の「賠償リスク」を1つの特約でまとめて守れる、非常にコストパフォーマンスの高い特約です。年間保険料は5,000円程度のことが多く、入っておかない理由がほとんどないと私は考えています。


元ディーラー営業マンが言いたい「保険と車選びは一体で考えるべき」

最後に、保険の話と切り離せない「車選び」についてひとこと。

高価な車を残クレで購入すると、必然的に車両保険(しかも一般型・車両新価特約付き)に加入しなければならず、保険料が大幅に膨らみます。「見た目のために、他人からの目線のために、無理して高額な車を残クレで買う」——これは維持費・保険料・万一のリスクすべてがセットで付いてくる選択です。*参照記事「元カーディーラーカー営業マンが語る!車の維持費 実は車はとんでもない金喰い虫!?」

実際、私がお勧めするのは「本当に自分の必要性に応じた車選び」です。たとえば通勤がメインの使用用途なら、150万円以下の中古コンパクトカーのハイブリッドでも10万km以上走れる時代です。車両保険なし・シンプルな保険構成で年間の維持費を大幅に抑えられます。

ただ——一つだけ付け加えます。「若いうちに、自由に動ける今の時期だからこそ、乗りたい車がある」という気持ちは、私には否定できません。人生の中でその車に乗れる時期は限られています。それでも、その選択をするなら「生活が破綻しないように」を絶対条件にしてください。返済計画・保険・維持費をすべて込みで「この車に乗る」と決断する——その覚悟があれば、高い車を買うことそのものは間違いではありません。

「無理して高い車に乗るよりも、身の丈に合った車でゆとりある生活を送る方が、長期的な豊かさにつながる」——35年間この仕事をしてきて、そう確信しています。


まとめ|必要な補償・不要な補償を整理します

最後に今回のポイントを整理します。

■ 絶対に必要な補償
→ 対人賠償保険・無制限
→ 対物賠償保険・無制限

■ 状況によって必要な補償(車両保険)
→ 残クレ・ローン購入者は必須
→ 現金購入でも再購入資金に余裕がない人は必要

■ 状況によって不要な補償
→ 車両保険:現金購入かつ再購入資金に余裕がある人には必要ない。年間保険料の50〜66%を占め、使用後も3等級ダウン+事故あり係数で「修理費の後払い」になりがち
→ 人身傷害保険:他人は対人賠償でカバー。家族の怪我は社会保険・高額療養費制度で対応可能(子供のいる家庭は万が一にそなえて掛け捨てのネット型生命保険に加入)

■ 追加でぜひ入っておきたい特約(保険料安い・効果大きい)
→ 弁護士費用特約:示談交渉力が格段に上がる。家族全員に適用
→ 個人賠償責任特約:日常生活の賠償リスクを家族全員分まとめてカバー

「たくさん補償をつければ安心」ではなく、「自分の状況に合った補償を選ぶ」ことが、賢い保険の使い方です。

以上この記事が参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。

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この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)
35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の保険契約についての専門的なアドバイスではありません。ご自身の状況に応じて、保険会社や代理店にご確認ください。

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