皆さんこんにちは。「オールシーズンタイヤ」って実際のところどうなんだろう?と気になっていませんか?
スタッドレスタイヤは冬の定番ですが、オールシーズンタイヤについては実際の装着事例を聞くことが少ないと思います。私自身、長年「11月末から3月下旬まではサマータイヤからスタッドレスへ入れ替え」という生活をしてきました。でも一度入れ替えると元に戻すのが面倒で、結局高価なスタッドレスを春以降も履き続けて摩耗させてしまう…そんな方も多いのではないでしょうか。
そこで実際に自分の車(FFミニバン)にオールシーズンタイヤを履いて、1年6ヶ月・約30,000kmを走ってみました。今回はそのリアルな結果と、オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違い、選び方を本音で解説します。
オールシーズンタイヤとは?年に数回の雪のために履き替えるのは本当に必要か
「目的地は雪が多いけれど、生活基盤の地元では年に数回しかスタッドレスが活躍しない」――こんな方は意外と多いのではないでしょうか。年に数回の出番のためにスタッドレスを履き続けるのはタイヤがもったいない。かといって季節ごとに履き替えるのは手間とコストがかかります。
サマータイヤとスタッドレスの計8本を所有するコスト、そして季節ごとの入れ替えの手間。これを天秤にかけたとき、「オールシーズンタイヤ1セットで通年いけるなら、それが一番いいのでは?」と考えました。
実際に履いたタイヤ:ケンダ KR202 KENETICA 4S
今回ネットで購入したのはケンダタイヤ KR202 KENETICA 4S(205/60R16)。4本で送料込み約43,000円と激安です。
ケンダタイヤってどんなメーカー?
ケンダは台湾の老舗タイヤメーカーで、国産タイヤの半額程度というコスパの高さが魅力です。日常使いやサブカーにぴったりで、無理なく長く使えるのが嬉しいポイント。静粛性・ウェットグリップともに良好で、ハンドリングも安定しています。エコモデルが多く燃費も悪くないので、街乗りや高速でストレスフリーです。
KR202のメリット
- 通年1セットで済む手軽さ …夏のドライ性能と冬の雪グリップを融合、交換の手間と費用がゼロ
- 価格が安い …同クラスより2〜3割お得。軽自動車やコンパクトカーにも最適
- バランスが良い …制動距離が短く、ウェットハンドリングも優秀。日常の雪道なら安心
スノーフレークマークの意味と冬用タイヤ規制
オールシーズンタイヤを選ぶうえで絶対に確認してほしいのが「スノーフレークマーク」です。
スノーフレークマークとは
3D山型の中に雪の結晶が描かれた記号で、厳しい雪道条件下で性能を発揮する冬用タイヤの国際基準を示します。このマークがあるオールシーズンタイヤは、スタッドレスタイヤ同様に冬用タイヤ規制時でも走行可能です。KR202にもスノーフレークマークが刻印されています。
ただし、チェーン規制時はチェーン装着が必須です。これはスタッドレスでも同じです。

M+Sマークとの違い
「M+S(Mud + Snow)」マークは泥や雪道での走行性能を示しますが、スノーフレークマークほど厳格な基準ではなく、冬用規制への対応は製品次第です。冬用規制ではスノーフレークマーク付きが確実で、M+Sのみだと走行不可の場合があります。
確認方法は簡単。タイヤのサイドウォールをチェックして雪の結晶マークを探してください。グッドイヤーやヨコハマなどの国内大手メーカーの製品でもよく見られます。
ケンダ vs ブリヂストン 価格と性能を比較
では国産プレミアムのブリヂストン(Turanza T005やマルチウェザー2)と比べたらどうなのか。価格と性能で明確な差があります。
価格比較(1本あたり目安)
- ケンダ KR202 …8,000〜12,000円
- ブリヂストン …20,000〜30,000円
KR202は導入しやすい低価格、ブリヂストンはプレミアム価格帯です。
性能比較
- ドライグリップ …ケンダは日常OKで穏やか/ブリヂストンはシャープで高剛性 → ブリヂストン優位
- ウェット制動 …ケンダは標準・排水良/ブリヂストンは制動距離も短く優秀 → ブリヂストン優位
- 雪・氷上 …ケンダは軽雪対応/ブリヂストンは安定性高い → ブリヂストン優位
- 静粛性 …ケンダは平均/ブリヂストンは高水準 → ブリヂストン優位
- 耐久性 …ケンダは標準/ブリヂストンは長寿命 → ブリヂストン優位
性能面では全域でブリヂストンが上回ります。高速道路や悪天候時の安定感は明らかに違います。予算重視・軽雪都市部ならKR202、性能・耐久優先ならブリヂストンという選び方になります。
オールシーズンタイヤ vs スタッドレスタイヤ 性能の決定的な差
ここからが本題です。最高峰のブリヂストン マルチウェザー2であっても、雪道走行ではスタッドレスタイヤに及びません。これは販売現場でも何度もお客様にお伝えしてきた事実です。
路面別の性能差
- 乾燥路・湿潤路 …オールシーズンが十分実用的。スタッドレスは夏タイヤより走行性能や燃費で不利
- 圧雪路 …スタッドレスがより安定。オールシーズンも条件次第で対応可能
- 凍結路(アイスバーン) …スタッドレスが圧倒的に有利。オールシーズンは性能が大きく落ちる
- 深雪・過酷積雪 …スタッドレス必須。オールシーズンはスリップリスクが高い
マルチウェザー2は積雪路や圧雪路で優れたグリップを発揮し、スノーフレークマーク付きで冬規制対応も可能です。しかし凍結路面ではゴムの硬さとサイプ設計がスタッドレスの柔軟性・氷上密着性に劣ります。ブリヂストン公式でも「凍結路走行不可」「過酷積雪時はスタッドレス推奨」と明記されています。

4WD+オールシーズンタイヤの相性は?
「4WDだからオールシーズンタイヤでも大丈夫だろう」と考える方も多いのですが、ここは正確に理解しておく必要があります。
強みのある場面
4WDのトラクションがオールシーズンタイヤの柔軟なグリップを補い、浅雪や圧雪路、軽い悪路で安定した走破性を発揮します。発進や登坂性能が向上し、FF車より確実に優位です。雪の少ない地域や都市部走行では実用性が高い組み合わせです。
限界点
ここが重要です。4WDは加速を助けますが、ブレーキはタイヤ依存です。凍結路や深雪ではタイヤ性能が制約となり、スタッドレスほどの制動力・グリップは得られません。「4WDだから大丈夫」という過信は禁物。停まる性能はタイヤがすべてです。
積雪が稀な平野部や日常使いなら最適ですが、山岳地帯や本格的な冬道ではスタッドレス推奨です。
FFミニバンで30,000km走った私の実走レビュー
私の車はFF(フロントエンジン・フロントドライブ)のミニバンです。実際にケンダKR202オールシーズンタイヤで1年6ヶ月、約30,000km走った正直な感想をお伝えします。
問題なかった場面
- 乾燥路・雨天時の通常走行(夏も冬も問題なし)
- 路面が凍結しない、雪の浅い道路
- 年に数回程度の軽い積雪
慎重さが必要だった場面
凍結路ではスタッドレスタイヤと比べると明らかに性能差を感じます。慎重なアクセルワークとエンジンブレーキを多用した運転が必要でした。普段スタッドレスで運転しているような感覚で踏むと、確実に滑ります。
やめた方がいい場面
雪の多い・凍結した高速道路での使用は実際に危険度が高く、おすすめしません。高速道路は速度域が高いため、わずかなスリップが大事故につながります。ここは無理せずスタッドレスに履き替えるべきです。

結論:オールシーズンタイヤが向いている人・向いていない人
オールシーズンタイヤが向いている人
- 年に数回しか雪が降らない地域に住んでいる
- 積雪があっても昼には溶ける程度
- 冬季にスタッドレスに履き替える手間とコストを省きたい
- 高速道路を雪のなか走ることはほぼない
- 雪の積もる地域への遠出をしない
スタッドレスタイヤが必須の人
- 豪雪地帯・凍結が日常的にある地域に住んでいる
- 冬の日本海側など、雪国へ頻繁に出かける
- 山間部の通勤や移動がある
- 冬の高速道路を頻繁に使う
目的地が冬の日本海側とかの場合は、間違いなくスタッドレスタイヤを選んでください。目的地から帰ってきたらタイヤを入れ替える、その手間はかかりますが安全第一です。
スタッドレスへの履き替えを楽にする小ワザ
「履き替えが面倒」と感じる方は、ご自身で油圧式ガレージジャッキやトルクレンチを所有しておくのもおすすめです。最初に少し投資すれば、毎シーズンの履き替えが格段に楽になります。ディーラーやカー用品店に持ち込む費用も浮きます。
少しの手間を惜しむより、事故を起こさないことの方がずっと大切です。タイヤは命を守る最後の砦。ここをケチって大事故、というのは現役時代に何度も見聞きしてきました。
まとめ
オールシーズンタイヤは万能ではありませんが、使い方と地域がハマれば非常にコスパの良い選択肢です。1年6ヶ月・3万kmを実際に走った身として言えるのは、「雪の少ない地域の普段使い」には十分実用的、ただし「凍結路や雪国への遠出」では明らかにスタッドレスに劣る、ということです。
ご自身の生活圏と冬の行動範囲をよく考えて、最適な選択をしてください。この記事が参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。
この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)
35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

