今回のテーマは「カーディーラーが無料でしてくれるサービスとは?」です。
「ディーラーは料金が高い」「街の整備工場のほうが安い」——そんなイメージを持たれている方も多いと思います。確かに工賃表だけを見ればその通りなのですが、長年ディーラーを利用しているお客様には、実は無料で対応している“ちょっとしたサービス”がたくさんあります。これは元営業マンだからこそ知っている、業界の「暗黙の習慣」のようなものです。
この記事では、私が35年以上ディーラーの現場で見てきた「お願いすれば意外と無料でやってくれるサービス」を5つご紹介します。
「品質は高く、価格は安く」業務用自動車消耗品・物流用品 えびすツールサービスマンの仕事と工賃の仕組み
カーディーラーのサービスマンは、時間あたりの工賃が決まっています。1時間あたりの工賃はおおよそ10,000円前後と高額で、その月・その年の工賃売上額が、サービスマンの給料やボーナスにも影響を与えます。
しかしサービスマンは、サービスフロントからの指示で作業をするため、仕事は選べません。工賃の高い作業ばかりではなく、クレーム修理や異音の対応など、工賃につながらない場合もあります。ここが営業マンとサービスマンの、個別成果の出方の違いです。

ですからサービスマンは、極力引き取り納車には出ず、作業に集中します。引き取り納車は営業マンが行う場合が多かったのですが、最近では業務効率改善のため引き取り納車を有料化して減らし、予約のうえ来店、待ち作業か代車へ、という流れに変わってきています。実際、引き取り1時間・回送1時間あれば、法定12か月点検の作業と洗車仕上げまでできてしまいます。代車が必要な場合は、ディーラーのコストは引き取り納車のほうが大きくなります。最近では、地域によっては代車を持たないディーラーも出てきています。
それでもディーラーが無料でやってくれるサービス
そんな中でも、カーディーラーとお客様、または営業マン(サービスマン)とお客様とのつながりで、意外と無料でしてくれるサービスがあります。ディーラーによって差はあるかもしれませんが、お願いしたら意外とやってくれるサービスを順にお伝えします。
① ボディの傷の磨き・タッチアップをお願いしてみる
カーディーラーにはプロ用の各種研磨剤、クリーナー、コーティング剤があり、純正のタッチアップペイントもあります。研磨剤は種類が多く、傷の状態によって使い分けができますし、タッチアップペイントは同じ白でも品番によって色が異なるため、ディーラーに任せたほうが確かです。
軽い擦り傷なら研磨で目立たなくなることが多いですが、下地(サフェーサー)が見えるほどの深い傷は、磨きでは消えません。その場合はタッチアップで色を入れて、目立たなくする応急処置になります。ちなみに、意外に思われるかもしれませんが、この手の作業は営業マンが自分で磨くケースも多いんです。サービスマンに依頼すると工賃が発生してしまうので、営業マンが「自分のお客様のため」にサービスでやる——という構図ですね。
② ぶつけて外れかけたバンパーなどの応急処置をお願いしてみる
そのまま走るのが不安な場合、とりあえず応急処置をお願いしてみましょう。両面テープやリベット、結束バンドなどで固定してくれます。傷の磨きやタッチアップペイントも同時にやってくれますし、新しい車でなければ、部品交換せずそのままで大丈夫な場合もあります。
ポイントは、完全に外れてから持ち込むより、「外れかけ」の段階で早めに相談することです。割れが広がる前なら応急処置だけで済むケースも多いので、違和感を感じたらすぐ連絡してみてください。応急処置後は、きちんと修理するかどうかの見積もりも出してもらえます。
③ 遠出やこれから高速道路に乗ることを伝えてみる
タイヤの空気圧調整(高速道路用にやや高め)や、ウォッシャー液の補充をしてくれます。エンジンオイルや冷却水のレベルもついでに見てくれることが多いです。
冬場にロングドライブをされる方は、ウォッシャー液を不凍タイプに入れ替えてもらうのもおすすめです。凍結すると拭き取りができず、視界不良でとても危険ですので、このひと手間で安心感がまったく違います。タイヤの空気圧は本来、月に1回のチェックが推奨されていますが、ご自身で空気圧計を持っていなくてもディーラーで気軽にお願いできます。
④ 車の下回りをぶつけてしまって不安なとき
道路の段差や縁石、雪道の轍などで下回りを打ってしまうと、「何か壊れたのでは?」と不安になりますよね。そんなときは、ジャッキアップして下回りを点検してくれます。
特に心配なのは、ブレーキ配管の損傷や、オイルパン・ミッションからのオイル漏れです。どれも走行中に発覚すると重大事故につながりかねない部分ですが、目視で確認すればすぐに判断がつきます。点検だけなら10〜15分程度で終わりますので、少しでも不安があれば遠慮せず相談してみてください。

無料サービスを気持ちよく受けるコツ
ここまで紹介した無料サービスですが、どんなお客様にでも喜んで対応するわけではないのが正直なところです。ディーラーの現場で「このお客様なら」と思ってもらえる方には、いくつか共通点があります。
- 必ず事前に電話予約を入れる(飛び込みは作業の段取りを崩すので嫌われます)
- 普段から点検や車検で利用している(入庫履歴がある常連さんほど優遇されます)
- 繁忙期を避ける(年末年始・GW前・決算期の3月などは混雑するので別日に)
- 「ありがとう」を必ず伝える——当たり前ですが、これが一番大事です
逆に、購入のときだけ来て、点検や車検は他所で受けている方が突然「無料でやって」と来ると、正直なところ現場は身構えます。普段のお付き合いが、いざというときの対応の差になるのです。
⑤ 知らないと損する「保証期間延長」という制度
リコールや改善対策、サービスキャンペーンとは別に、国土交通省に届け出をしない事案があります。
「保証期間延長等その他」という事案で、メーカーが任意で行う不具合補償です。15年以上前の車でも対象になります。 私のお客様で、20万km以上走ったミニバンのミッション一式を無料で交換した事例もありました。通常なら30〜50万円はかかる修理です。
注意点は、車検は普通に通る状態のため、お客様からの申請がなければディーラーからは案内が来ないということです。つまり「知っている人だけが得をする」制度なんです。
調べ方はとても簡単です。メーカーの公式ホームページに専用ページがあり、車種名と車台番号(車検証の「車台番号」欄)を入力するだけで確認できます。対象になりやすいのは、CVTやオートマチックトランスミッション、エアバッグ関連、エンジン制御関連などです。ご自身の車で起きている症状と一致すれば、ディーラーに連絡してみましょう。もちろん作業費も部品代もすべて無料です。

まとめ
カーディーラーは「高い」というイメージが先行しがちですが、長いお付き合いがあれば、工賃には出てこない無料サービスが意外とたくさんあるのが実情です。特に⑤の保証期間延長は、知らないまま乗り換えてしまうお客様が本当に多いので、ぜひ一度メーカーサイトでチェックしてみてください。
そして何より、普段のちょっとした相談ができる「かかりつけディーラー」を一つ持っておくと、車の維持はぐっと楽で安心になります。以上この記事が参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。
おすすめポイント
①【移動が楽】重量が軽いため日常の乗せ換えが負担になりません
②【通気性が高い】3Dメッシュシート、エアスルーシステムにより夏場の車内でもムレにくく快適です
③【最新安全基準R192に対応】3歳から12歳頃まで長く使えてコスパが良い
この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)
35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

