新古車・試乗車上がりは本当にお得なのか?元カーディーラー営業マンが告白します

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「新古車って、新車同然なのに安く買えるんでしょ?」

中古車を探している方から、よくこういう話を聞きます。確かに新古車は魅力的に見えます。走行距離はほぼゼロ、見た目は新車と変わらない。なのに価格は新車より安い。

でも35年以上、カーディーラーで営業マンとして働いてきた私から言わせると、「なぜ新古車が存在するのか」という背景を知らずに飛びつくのは少し待ってほしいんです。

同じく試乗車上がりの中古車についても、「試乗車だから状態がいいはず」と思っている方が多いのですが、現場の実態を知ったら少し考えが変わるかもしれません。

この記事では、新古車と試乗車上がりの中古車について、元ディーラー営業マンとして正直に告白します。


新古車(登録済み未使用車)とは何か?その正体を明かします

新古車とは「誰も乗っていないのに中古車扱い」の車

新古車とは、正式には「登録済み未使用車」と呼ばれます。ナンバープレートが取得されていて法律上は「中古車」ですが、実際には誰も使用していない、ほぼ新車と同じ状態の車です。

走行距離は0〜数十kmというものがほとんどで、内外装も新車と変わりません。なのに「中古車」扱いなので、価格は新車より安くなります。

では、なぜそんな車が存在するのでしょうか。

新古車が生まれる本当の理由——ディーラーの「ノルマ事情」

ここが核心です。

ディーラーはメーカー(例えばトヨタや日産)から毎月・毎年の販売台数ノルマを課されています。そのノルマを達成するかどうかで、メーカーから受け取る「販売奨励金(インセンティブ)」の額が大きく変わります。

この奨励金はディーラーの利益の大きな柱です。

ところが月末・決算期が近づいても目標台数に達しないことがあります。そのとき、ディーラーが取る手段のひとつが「自社名義で車を登録する」ことです。

社用車扱い、試乗車扱い、または関係業者名義などで登録し、台数としてカウントする。こうして生まれるのが新古車の正体です。

つまり新古車は「ディーラーのノルマ達成のための産物」です。お客様のために生まれた車ではありません。

これを知っておくと、新古車の見方が少し変わってくるはずです。


普通車と軽自動車、新古車の税金はこんなに違う

新古車を購入するときに見落とされがちなのが「税金」の問題です。普通車と軽自動車では、登録のタイミングによる税金の扱いが大きく異なります。

普通車の新古車|自動車税は購入時に月割りで加算される

自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点の所有者に1年分が課税される税金です。新車を新規登録したときは、登録月の翌月から翌年3月までの月割り分を支払う仕組みになっています。

新古車の場合、この登録時の月割り分はディーラーがすでに支払っています。そのため購入するときは、見積書に「自動車税未経過相当額」という項目で、購入した月から翌年3月までの残り月数分が月割りで加算されるのが一般的です。つまり「税金がタダになる」わけではなく、残り期間分を購入時に払う、と覚えてください。

例えば10月に登録された新古車を11月に購入した場合、12月〜翌年3月分に相当する額が購入時に加算され、翌年からは毎年5月に満額を支払います。登録から時間がたった車ほど購入時の加算額は少なくなりますが、そのぶん車検の残りも短くなっています。

新古車を検討するときは「登録年月」と、見積書の「自動車税未経過相当額」の欄を必ず確認してください。

また、自動車重量税は新規登録時にまとめて支払われています。これはディーラーが負担済みです。次の車検で支払う重量税は購入者が負担しますが、車検残存期間は登録月からカウントされることに注意してください。

軽自動車の新古車|税金の「特殊ルール」に要注意

軽自動車税には「月割り」がありません。これが普通車との大きな違いです。

軽自動車税は「4月1日時点の所有者」に対して、その年度分を一括で課税されます。

重要なのは「一度でも登録された軽自動車は新車扱いではない」という点です。4月2日以降に登録された軽自動車は、翌年の4月1日まで軽自動車税がかかりません。ディーラーが3月に登録した軽自動車の新古車を4月以降に購入すると、購入者は翌年の4月まで軽自動車税を支払わなくて済む——という計算もできます。

ただし、3月31日以前に登録された軽自動車の新古車を購入した場合、その年の4月1日の所有者(=購入者)に1年分の軽自動車税が課税されることがあります(取得時期によって変わります)。

「軽の新古車だから何でもお得」と思い込まず、登録年月日と税金の関係を必ず確認してから購入することをお勧めします。わからなければ購入前に販売店に確認してもらいましょう。


なぜディーラーは自社の中古車センターで新古車をあまり扱わないのか

「新古車が欲しい」とディーラーに行っても、意外と自社の中古車センターには置いていないことが多い——そう気づいた方もいるのではないでしょうか。

これには理由があります。

理由①「新車が売れなかった」証拠になるから

新古車とは要するに「売れ残った新車」です。それを自社の中古車センターに堂々と並べるということは、「うちの新車は売れ残っています」と公表するようなものです。

ブランドイメージの観点から、メーカーもディーラーも積極的には表に出したくない。だから他社の中古車業者やオークションに流すことが多いのです。

理由②自社の新車部門と競合してしまうから

もし自社の中古車センターに新古車を並べた場合、新車を検討しているお客様が「この新古車の方が安いから、これでいいか」となってしまいます。

これは新車部門の営業マンにとって大きな痛手です。同じ会社の中でお客様を取り合う形になってしまう。

だから新古車は、自社では扱いにくいのです。

結果として新古車は専門業者や大手中古車チェーンに流れる

新古車専門業者や、大手中古車チェーン、あるいはディーラー間のオークションを通じて市場に出回ることが多い構造になっています。

ですから「新古車を買いたい」なら、ディーラーよりも新古車専門業者や大手中古車チェーンで探す方が選択肢が多い場合があります。


試乗車上がりの中古車——元営業マンが「告白」します

さて、ここからが今回の記事で私が最も正直に話したい部分です。

「試乗車ならディーラーが管理していたんだから状態がいいはず」——そう思っている方が多いです。でも現場を知っている私には、正直に言わなければならないことがあります。

試乗車は「不特定多数の人が雑に扱う車」

試乗車は、文字通り多くのお客様が試乗します。

▶ ちなみに「試乗する側」の正しい乗り方・チェックポイントは、試乗車の正しい乗り方を元カーディーラー営業マンが解説にまとめています。

丁寧に運転してくれる方もいます。でも中には急加速・急ブレーキを繰り返す方、エンジンを高回転まで回す方、ドアやボンネットの開け閉めを雑にする方……本当に様々です。

しかも試乗する方は「自分の車ではない」という意識があるため、どうしても扱いが雑になりがちです。これは仕方のないことでもあります。

走行距離は数百〜数千kmと少なく見えますが、その数km・数百kmの間に車はさまざまなストレスをかけられています。走行距離の少なさだけで「状態がいい」とは言えない、というのが私の正直な見解です。

▶ プロの査定士が車の状態や修復歴をどこで見抜くのかは、下取り価格の謎|ディーラー査定の仕組みを徹底解説で紹介しています。中古車選びの目利きにも役立ちますよ。

ディーラーの試乗車管理は「実は雑」なことが多い

ここは元営業マンとして正直に言います。

試乗車はどのディーラーでも「近いうちに売る予定の車」です。短期間で入れ替わる前提で管理されています。

だからメンテナンスは「最低限やっておけばいい」という意識になりがちです。オイル交換時期も過ぎたまま試乗している場合もあります。どうしてもお客様の車の整備を優先しますのでそうなります。

また、私が現場にいたころ感じていたのは、営業マンも試乗車を「自分が責任を持つ車」とは思っていないケースが多いということです。たとえば社員の弁当買い出しに毎日使うとか、クレームユーザーの一時的な代車に使うなど、お客様の車の整備を優先するため試乗車の管理は後回しになりがちです。

「試乗車だから管理がしっかりしている」は幻想に近いです。

▶ ちなみに、試乗車や代車で事故を起こしたらどうなるかは試乗車・代車・他人の車で事故を起こしたらどうなる?保険のリアルを解説で説明しています。

展示環境も見落とせない

試乗車は屋外の展示場に置かれていることも多く、雨・直射日光・砂埃にさらされています。特に内装の日焼けやゴムパーツの劣化は、走行距離には表れません。

試乗車上がりを購入するときは、必ず実車をしっかり確認することが大切です。


新古車・試乗車上がり、結局お得なのかどうか正直に答えます

新古車のお得度

新古車は「状態はほぼ新車、価格は新車より安い」という点でお得感があります。特にボディーカラーは白、黒、シルバーなどの無難な色、スタンダードなグレードが新古車になりやすいため、色・グレードにこだわらなければお得に買えることがあります。

ただし注意点をまとめます。

  • 登録年月によって車検の残存期間が変わる
  • 軽自動車は税金のタイミングに注意が必要
  • 本当にお得かどうかは「新車との価格差」と「登録からの経過期間」を合わせて計算すること
  • 希望の色・グレードが選べないことが多い

見落としがちな「新車保証の残り」

もうひとつ、新古車で必ず確認してほしいのがメーカー保証の残り期間です。

新車には一般的に、一般保証(3年または6万km)と、エンジン・トランスミッションなどの重要部品を対象とした特別保証(5年または10万km)が付いています。ここで大事なのは、この保証期間が「あなたが買った日」からではなく、「初度登録日」からカウントされるという点です。

つまり、去年の3月に登録された新古車を今年の8月に買った場合、保証はすでに1年5か月ぶん消化されています。見た目は「新車同然」でも、保証だけは1年5か月ぶん短い車を買っていることになります。

現場にいたころ、この説明を省いてしまう販売店の話は何度も耳にしました。悪意があるというより、聞かれなければわざわざ言わない、というだけのことです。だからこそ、購入前にご自分から「初度登録年月はいつですか?保証はいつまで残っていますか?」と聞いてください。これはどの販売店でも必ず答えられる質問です。

車検の残りと、保証の残り。この2つを登録年月から逆算することが、新古車の「本当のお得度」を測るものさしになります。

試乗車上がりのお得度

試乗車上がりは新古車より価格が安いことが多いですが、前述の理由から私は少し慎重に見ています。

購入するなら以下を必ず確認してください。

  • 本当にお得かどうかは「新車との価格差」「中古車の相場」の両方を比較検討すること
  • ボディの小傷、へこみ
  • 内装の汚れ・匂い・シートの傷みを実車でチェック
  • タイヤが偏摩耗していないかチェック
  • エンジンオイル、各フィルター類、ワイパーゴム等の消耗品交換履歴

「安いから」だけで飛びつかず、実車確認を徹底することが大切です。

実は「新車を値引きしたほうが安い」ことがあります

最後に、売る側にいた人間として一番お伝えしたいことを書きます。

新古車を見に行く方の多くが、新車の「定価」と新古車の価格を比べています。でも実際に新車を買うときには、値引きが入ります。決算期や月末なら、なおさらです。

そこに下取り車があれば、下取り価格の上乗せも乗ってきます。この2つを足した「新車を買ったときの実際の支払総額」で比べると、新古車との差がぐっと縮まることが珍しくありません。

しかも新車なら、色もグレードもオプションも自分で選べて、保証は満額、車検も丸3年です。ここまで含めて比べると、判断が変わる方はけっこういます。

ですから新古車を検討している方には、手間でも一度、新車の見積もりも取ってみることをお勧めします。「新古車と迷っている」と正直に伝えて構いません。むしろ営業マンは、その一言で本気になります。

▶ 新車の値引きがどこまで引き出せるのかは、新車値引きの限界額とは?元カーディーラー営業マンが解説で詳しくお話ししています。

元営業マンとしての結論

新古車は「条件が合えばお得」、試乗車上がりは「実車確認次第」です。

どちらも「新車同然」というイメージだけで購入するのではなく、背景を知った上で判断してください。特に試乗車上がりについては、私が見てきた現場の実態を知ってほしいと思い、あえて正直に書きました。


まとめ

今回の記事のポイントを整理します。

  • 新古車はディーラーのノルマ達成のために生まれた「登録済み未使用車」。状態はほぼ新車だが背景を理解した上で検討すること
  • 普通車と軽自動車では新古車の税金ルールが異なる。登録年月日と税金の関係を必ず確認する
  • ディーラーが自社中古車センターで新古車を積極的に扱わないのは、新車部門との競合と自社イメージの問題があるから
  • 試乗車上がりは「丁寧に管理されている」とは限らない。不特定多数の扱い・管理の甘さ・展示環境のリスクを知った上で実車確認を徹底すること
  • 新古車も試乗車上がりも「安さだけ」で飛びつかず、新車との価格差・税金・残存車検期間・実車の状態を総合的に判断する

新古車・試乗車上がりのよくある質問

Q. 新古車は値引きできますか?

A. 新車ほどの値引きは期待できません。新古車はもともと「安い価格」を売りにして店頭に出ているためです。ただし、登録から時間がたって在庫として長く残っている車ほど、販売店も早く動かしたいので、相談の余地は出てきます。

Q. 新古車なのに走行距離が数百kmあります。大丈夫でしょうか?

A. 登録した店舗から保管場所やオークション会場まで自走で運ばれると、それだけで距離が出ます。数百km程度なら不自然ではありません。ただし1,000kmを大きく超えている場合は、社用車や代車として実際に使われていた可能性がありますので、どう使われていた車なのかを確認してください。

Q. 試乗車上がりは、走行距離が少なければ買いですか?

A. 走行距離だけで判断しないでください。本文でお話ししたとおり、試乗車の距離は「不特定多数の方が、短い距離で車に負荷をかけた距離」です。同じ3,000kmでも、一般の方が通勤で乗った3,000kmとは中身が違います。

Q. 新古車と試乗車上がり、どちらを選ぶべきですか?

A. 状態を重視するなら新古車、価格を重視するなら試乗車上がりです。ただし試乗車上がりを選ぶ場合は、実車を必ずご自分の目で確認してください。それができないのであれば、新古車のほうが安全です。

愛車が決まればコムテック ZDR065で事故リスクをしっかり対策しよう

▶「取り付け方法|ドライブレコーダー コムテック ZDR065についてはこちらの記事で詳しく解説しています」

おすすめポイント

①前後両方 【高画質カメラ】フロント約370万画素、リア約200万画素で記録できる、事故時の証拠としての安心感が大きい

②夜間やトンネル・逆光でもナンバープレート含めた細部がくっきり残るため事故時の証拠としての安心感が大きい 

③日本製で3年保証付き「壊れにくいメーカー」「長期間使いたい」と言う声が多い                                    

この記事が参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。

これからも、ディーラーの現場で見てきたリアルな情報をお届けしていきます。次回は「結局、今の時代 EV(電気自動車)、HV(ハイブリッド車)、GV(ガソリン車)どれが正解?元カーディーラー営業マンが解説」お楽しみに。


この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)
35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

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