今回のテーマは「販売スタイルの変化と現在の活用方法」を、元カーディーラー営業マンの目線で語ります。
「営業の基本は夜討ち朝駆け」「営業は断られてから始まる」——こんな言葉、聞いたことがあるでしょうか。私が新人営業マンだった40年以上前、上司から耳にタコができるほど聞かされた言葉です。ですが、今の時代にこれをそのまま実践するのは、もうほぼ不可能です。時代とともにお客様の生活様式も、ディーラー側の働き方も、そしてプライバシーに対する意識も大きく変わりました。
無料の自動車保険一括見積もりサービスこの記事では、昭和〜平成初期までのカーディーラー営業の「昔のスタイル」を振り返りながら、令和の今、お客様がディーラーを賢く活用するための4つのコツをお伝えします。今まさに車の購入や買い替えを検討されている方、長年同じディーラーに通っている方にも、知っておいて損のない内容です。
昔のカーディーラー営業はこうだった——4つの特徴
まずは40年前、私が若手営業マンだった頃の働き方を振り返ります。読者の皆さんの中にも「そういえば昔、家に営業マンが来ていたなあ」と思い出される方がいらっしゃるかもしれません。
① テリトリー(担当地区)制があった
ディーラーによって違いはありますが、多くの会社では営業マン一人ひとりに担当地区が割り振られていました。テリトリー内には管理ユーザー(その営業マンが担当する既存顧客)が約500件ほどいて、定期的に一軒一軒訪問し、「そろそろ乗り換えをいかがですか」「2台目の増車はどうでしょう」「ご家族やお知り合いをご紹介いただけませんか」とお願いして回っていました。
さらに、テリトリー内の個人経営の自動車屋さん(町の整備工場)も開拓先でした。顔見知りになっておいて、「お客さんが新車を欲しがっていたら、ぜひ紹介してください」と頭を下げる。今で言う「BtoB営業」の走りのようなものですね。
② 平日は外回り、土日だけショールーム勤務
テリトリー制を敷いているディーラーの営業マンは、平日のほとんどを外回りに費やしていました。ですから、ショールームのカウンターに営業マンの姿がないのが普通で、ショールームで落ち着いて商談ができるのは土日だけというのが当時の常識だったのです。
「ショールームに行ったのに営業マンがいなくて待たされた」——そんな経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。それは営業マンがサボっていたのではなく、別のお客様の家を回っていたのです。
③ アポなしチラシ配布で「数打ちゃ当たる」方式
メーカーから送られてくるチラシや、営業マンが自分で作った手書きの提案書、新車のカタログ、見積書を持って、アポイントなしで家から家へ配布していました。今で言うポスティングですが、当時はポスト投函だけでなく、ピンポンを鳴らして直接手渡しするのが当たり前。
「100件配って1件でも反応があれば御の字」——そんな数の論理で、ひたすら足で稼いでいた時代です。
④ 飛び込み営業で「地域の担当営業です」と顔売り
これが今思うと一番問題含みのやり方ですが、テリトリー内の既存ユーザー宅の間を歩きながら、まったく面識のないお宅にも飛び込みで挨拶していました。「この地域を担当させていただいている○○と申します。よろしくお願いします」と顔見知りになる努力を続けていたのです。
しかも、世帯主が不在のお宅でも、おじいちゃん・おばあちゃん・奥様・お子様にまで車の話をする……今振り返ると完全にNGですね。プライバシーの観点でも、消費者保護の観点でも、当時が「おおらかだった」とは言えますが、やはり無理のあるやり方でした。

令和の今、営業マンの働き方はこう変わった
それでは、現在のカーディーラー営業はどうなっているのでしょうか。
① アポなし訪問は原則NG
今は必ず事前連絡をしてから訪問するのがルールです。昔の営業マンの決まり文句「近くまで来たのでついでに寄ってみました」は、今では通用しません。事前予約なしで訪ねてきたら、むしろお客様に不審がられてしまう時代です。
② 商談も納車もショールームで
プライバシーやセキュリティへの意識が高まったこともあり、商談も納車も、ほとんどのお客様がショールームで行うようになりました。自宅に営業マンを呼ぶのは、どうしても高齢で来店が難しい方などに限られます。
③ テリトリー制は事実上消滅
今の時代、個人ユーザー担当の営業マンにテリトリー制を課しているディーラーはほぼありません。飛び込み営業も非効率かつプライバシー・セキュリティの観点で問題があるのでやらない。これが令和の常識です。
余談ですが、他業種では今も飛び込み営業をしているところがあります。中には悪質業者も混ざっていますので、知らない業者が突然訪ねてきた場合は十分お気をつけください。
④ 固定電話が少なく、連絡は携帯電話中心
以前なら「ご自宅の電話番号」を聞いておけば確実に連絡がつきましたが、今はほとんどの方が固定電話を持っていません。商談中のお客様への連絡も携帯電話になり、こちらがかけた時に相手が電話に出ないと、知らない間に他社で契約を決めてしまう——そんなケースも増えました。
こうした変化の結果、今の営業マンは平日にお客様宅を訪問する機会がほとんどなくなり、その分ショールームで待機している時間が昔より格段に増えました。これは、実はお客様にとって大きなチャンスです。

令和の時代、ディーラーを賢く活用する4つのコツ
ここからが本題です。昔と違って平日もショールームに営業マンがいるということは、使い方次第でディーラーはもっと便利に、お得に活用できるということです。元営業マンの立場から、4つのコツをお伝えします。
① 平日に有給休暇を取って商談する
一番のおすすめは平日商談です。週末は営業マンも納車と商談の掛け持ちで忙しく、どうしても落ち着いて話ができない場面が出てきます。ところが平日なら、営業マンがあなた一人にじっくり時間を割けます。
結果として、車種選びの相談も、オプションの細かな説明も、値引き交渉も、より深いレベルで進められます。急がずゆっくり比較検討したい方には絶対に平日がおすすめです。
注意点:最近のディーラーは平日に2日間の定休日を設けているところが増えています(火・水休みなど)。来店前に公式サイトで定休日を確認し、担当営業マンと日程調整してから訪問してください。
② ちょっとした傷は担当営業マンに相談する
前回の記事「カーディーラーが無料でやってくれる意外なサービス5選」でも触れましたが、ボディの軽い擦り傷やタッチアップなどは、サービスマンが忙しい時でも営業マンなら手が空いていることが多いものです。
事前に電話して「営業担当の○○さん、いらっしゃいますか?ちょっと車の傷を見てほしくて」と伝えれば、営業マンが自分で磨いてくれるケースがあります。工賃は発生せず、無料で綺麗にしてもらえる——これは平日の空いている時間帯ならではの恩恵です。
③ 納車は絶対に平日がおすすめ
もし平日に休みが取れるのであれば、一番楽しみな「納車」こそ平日にしてください。
営業マンの本音を言えば、納車は平日に済ませて、週末は新規の商談に集中したいというのが正直なところです。週末納車だと、他のお客様との商談の合間を縫って対応することになり、どうしても慌ただしくなります。
平日納車なら、お客様も営業マンも時間にゆとりを持って、新しい装備の説明、ナビやドライブレコーダーの使い方、保証書の確認まで、落ち着いてじっくり確認できます。一生のうち何度もない「新車の受け渡し」という特別な瞬間を、ぜひ良い形で迎えてほしいと思います。
④ 急なトラブルも営業マン経由で対応してもらえる
「車が動かない」「バッテリーが上がった」「ぶつけてしまった」——こうした急なトラブルのとき、サービスマンは日々の作業予定が時間単位で埋まっているため、どうしても対応が後回しになりがちです。そんな時は保険会社やメーカー指定のロードサービスに頼ることになりますが、手配や手続きが意外と煩わしいものです。
ところが平日で担当営業マンがショールームにいる場合、営業マンが自ら動いて、キャリアカー(積載車)での引き取りや保険手続きの代行など、煩わしい部分を肩代わりしてくれることがあります。あくまで担当営業マンが居合わせて手が空いているのが前提条件ですが、平日にディーラーに営業マンがいる確率は昔より格段に上がっているので、期待していい確率です。

まとめ——平日の時間を味方につけよう
40年前の「夜討ち朝駆け・飛び込み営業」の時代から、令和の「ショールーム中心・事前予約型」の時代へ。営業マンの働き方は、お客様の生活様式やプライバシー意識の変化に合わせて、大きく様変わりしました。
そして、この変化はお客様にとって不便になったのではなく、むしろチャンスが増えたと私は思っています。なぜなら、昔は土日しかつかまらなかった営業マンが、今は平日もショールームで待機しているからです。
- 平日に商談 → ゆっくり比較検討できる
- 平日に小さな傷の相談 → 無料で対応してもらえる可能性
- 平日に納車 → 一生の記念日をじっくり味わえる
- 平日のトラブル → 営業マンが動いてくれる可能性
有給休暇を上手に使って、ぜひディーラーの「平日時間」を味方につけてください。営業マンもお客様も、お互いにゆとりのある対応ができて、結果として気持ちのいいカーライフにつながります。
以上この記事が参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。
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この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)
35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

