PayPayはチャージで使うけどクレジットカードは使わない。デビットカードは使うけどクレジットカードは使わない。——そんな、今の時代には少し珍しい「現金派」のあなた。高速道路はどうしますか?
以前の記事「ETC・ETC2.0・ETCマイレージサービスの違いと使い分け」でも少し触れましたが、実はクレジットカードを使わずにETCを利用できるカードがあります。それがETCパーソナルカード(通称:パソカ)です。今日はこのカードの仕組み・メリット・デメリット・作り方を、まとめて解説します。
▶「エーモン工業パープルセイバー6920についてはこちらの記事で詳しく解説しています」
ETCパーソナルカードとは?|高速道路会社6社の公式カード
ETCパーソナルカードは、クレジットカードを作らない(あるいは作れない)方でも高速道路のETC割引を利用できるように、高速道路会社6社が共同で発行しているETC専用カードです。発行元は以下の6社。クレジットカード会社ではありません。
- NEXCO東日本・NEXCO中日本・NEXCO西日本
- 首都高速道路・阪神高速道路・本州四国連絡高速道路
この6社が共同で「ETCパーソナルカード事務局」という窓口を運営しており、申込受付やカードの管理を行っています。つまり、高速道路会社が公式に用意している、安心感の高い決済カードと言えます。最大のメリットは「クレジットカードの審査がない」こと。ただし独自のルールがあるので、順に見ていきましょう。
最大の特徴「デポジット(保証金)」の仕組み
このカードの最大の特徴は、事前にデポジット(保証金)を預ける必要がある点です。そして、ここで一番多い勘違いがこれです。
⚠️ デポジットは「チャージ」ではありません。あくまで担保として預けるだけで、毎月の高速料金はデポジットとは別に、登録した銀行口座から引き落とされます。預けたデポジットは、カードを解約するときに全額返金されます。
デポジットの金額は、自分が申告する「平均利用月額」の4倍。かつては最低2万円からと初期費用が高めでしたが、現在は少額利用向けの区分ができて使いやすくなりました。
| 申告する平均利用月額 | 最初に預けるデポジット | 毎月の利用限度額 |
|---|---|---|
| 750円 | 3,000円(最低額) | 3,000円 |
| 1,250円 | 5,000円 | 5,000円 |
| 2,500円 | 10,000円 | 10,000円 |
| 5,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
| 10,000円 | 40,000円 | 40,000円 |
注意点として、まだ口座から引き落とされていない利用額の累計がデポジット額を超えると、ETCゲートでバーが開かなくなり利用停止になります。少し余裕を持った金額で設定するのがおすすめです。

メリット・デメリット
⭕ メリット
- クレジット審査がない——過去の金融履歴に不安がある方や、主義としてクレジットカードを作りたくない方でもETCカードを持てます
- 通常のETC割引がすべて適用される——深夜割引、休日割引、ETCマイレージサービスなど、クレカ発行のETCカードと全く同じ割引特典が受けられます
❌ デメリット
- 初期費用(デポジット)がかかる——最初にまとまった現金を振り込む必要があります
- 年会費がかかる——カード1枚につき年間1,257円(税込)が必ずかかります。クレカ付帯のETCカードは年会費無料のものが多いのと対照的です
- 発行まで時間がかかる——郵送や振込の手続きがあるため、申し込みから手元に届くまで約2〜3週間かかります
- 1人1枚しか作れない——クレカのように複数枚持ちはできません
申し込みから利用開始までの流れ
オンラインでは完結せず、「申込書(紙)を郵送する」形になります。手順は4ステップです。
- Step1:申込書を作成・入手する——入手方法は3つ。①「ETCパーソナルカードWebサービス」のサイトで必要事項を入力してPDFを印刷(おすすめ。手書きの手間が省けて記入ミスも防げます)、②高速道路のサービスエリア(SA・PA)のインフォメーションでもらう、③事務局やNEXCO各社に電話して郵送してもらう
- Step2:郵送で申し込み——記入・捺印(口座振替用)した申込書に、運転免許証のコピーなどの本人確認書類を同封して事務局へ郵送
- Step3:デポジットの振り込み——事務局の確認後、自宅に「払込取扱票」が届くので、コンビニや郵便局で指定額を支払います
- Step4:カード到着・利用開始——入金確認後、簡易書留でカードが届きます。車載器に差し込めばその日から使えます
そもそもデビットカードでETCは作れないの?

「デビットカードなら持ってるんだけど」という方も多いと思いますが、デビットカードでETCカードを作ることは原則できません。大手銀行のデビットカードはすべてETC発行に非対応です。
理由は決済の仕組みにあります。デビットは「使った瞬間に口座から即時引き落とし」。もしETCゲート通過の瞬間に残高不足だったら、バーが開かず急ブレーキ——後続車の追突を招く、命に関わる事態になります。クレジットカードならカード会社が立て替えるのでゲートは必ず開きますが、デビットではこのリスクを防げないため、発行されていないのです。
ちなみに例外は極めて限られています。北國銀行のVisaデビット(ETC分は後日まとめて引き落とし。ただし新規申込は北陸3県在住の方限定)と、三井住友カードのOliveフレキシブルペイ(ETC分は自動的にクレジットモード決済になるため、結局クレジット審査が必要)くらい。北陸3県以外の方がクレカなしでETCを使うなら、ETCパーソナルカードが最も現実的で確実な選択肢ということになります。
どんな人に向いているか|元営業マンの正直なアドバイス
実際にETCパーソナルカードを使っている人は少数派で、ETC利用者全体から見ればごく一部(数%程度)とみられています。ほとんどの人は手軽さと費用面からクレカ付帯型を選んでいるのが実情です。
正直にまとめると、こうなります。
- クレジットカードに抵抗がない方→ 年会費無料のクレカ付帯ETCカードが第一候補です。当ブログでは楽天カード・楽天ETCカードの記事やクレジットカード活用術の記事で詳しく書いています
- クレジットカードを作りたくない・作れない事情がある方→ ETCパーソナルカードが、高速道路会社公式の確実な受け皿です。デポジットと年会費はかかりますが、割引はクレカ型と同等。「現金派だから高速の割引を諦める」必要はありません
まとめ

- ETCパーソナルカードは高速道路会社6社が公式発行する、審査なしのETC専用カード
- デポジット(平均利用月額の4倍、最低3,000円)は「チャージ」ではなく「保証金」。解約時に全額返金される
- 年会費1,257円と発行2〜3週間はネックだが、ETC割引はクレカ型と全く同じに受けられる
- デビットカードではETCは作れない。クレカなし派の現実解はパソカ一択
最後にひとつだけ補足を。ETCパーソナルカードを手に入れたら、無料の「ETCマイレージサービス」への登録もお忘れなく。走った分だけポイントが貯まり、無料通行分として戻ってきます。年会費1,257円くらいは、使い方によってはここで取り返せますよ。
現金派の方も、これで安心して高速道路をスイスイ走れます。楽しいカーライフをお過ごしください。
データ無制限・国内通話無料・楽天ポイントでお得に使える【楽天モバイル】▶「楽天モバイルとディスプレイオーディオについてはこちらの記事で詳しく解説しています」
この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。
