カーディーラー営業マンの離職率は本当に高いのか⁉|2度辞めた元営業マンが語る本音

ディーラー裏話
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カーディーラー営業の仕事について意見を聞くと、たいてい「車の営業ってキツイんじゃないの」「新人が育つ前に辞めちゃうイメージがある」「生き残るのが厳しい職場だよね」と返ってきます。

……全部正解です。かくいう私も、実はカーディーラー営業マンを2回辞めています。現在は再雇用で別部署勤務なので、正確には3回辞めたことになります。こんにちは。35年以上カーディーラーで営業マンをしてきた、再雇用サラリーマンです。私のように辞めて他の仕事に就いたのに2回も戻ってくるのは例外として、最近のカーディーラー営業マンの離職率は本当に高いのでしょうか。職場環境とあわせて解説していきます。

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離職率の実態|新卒3年で「3人に1人」が辞める

業界紙や各販売会社の採用情報から算出される実態として、カーディーラー営業の離職率は次のような水準です。

区分離職率備考
全体の年間離職率約15〜25%前後全産業平均(約15%)よりやや高め
新卒3年以内約30〜40%「3人に1人」が辞める。過去10年ほぼ横ばい

初期研修後の実戦段階(2〜3年目)で成果が出ず、プレッシャーに耐えかねて退職する若手が一定数発生する構図は、10年前から大きく変わっていません。ただし、メーカー直営の大型ディーラーと、地方の中小ディーラー・中古車販売店の間では大きな格差があります。

私が2回辞めて、それでも戻ってきた話

私の話で恐縮ですが、1982年(昭和57年)に新卒で某カーディーラーに入社。新人営業マンになりましたが、ノルマのプレッシャーに負けて4年で退社しました。1年半ほど他の仕事をして、1987年(昭和62年)に違うメーカーのディーラー営業マンとして復活。しかし2001年、離婚でメンタルがおかしくなり退社。また1年半ほど別の仕事をしていた時、当時の店長に出戻りをお願いしたところ社長まで話が伝わり、「返ってこい」と言っていただきました。そして現在に至ります。店長と社長の懐の深さに、今も感謝しています。

「2度も辞めたのに、なぜまた営業マンに? 学習能力がないんじゃないの?」と思われますよね。私自身もよく理解できていないのですが、根底はやはり車(カーディーラー)が好きなのだと思います。

ではなぜ2回も辞めたのか。実は私は本来、物を造る技術的な仕事の方が向いていて、サービスマン希望でした。ところが新卒時の高度成長期は営業マンが不足していたため、営業マンとして入社したのです。当時はディーラーも景気が良く新人研修は約1年に及び、営業の面白さも理解しましたが、本来向いていない性格なので色々苦労しました。

映画「さかなのこ」が教えてくれること

さかなクンの映画「さかなのこ」をご存知でしょうか。さかなクンは「お魚に関わる仕事がしたい」と様々な職業に挑戦しますが、飼育員、お寿司屋さん、熱帯魚ショップ……どこへ行っても現実の壁にぶつかり、ことごとく失敗します。それでも大好きな「お魚への気持ち」を曲げず、ついに、魚の絵を描きながら説明する「おさかな博士」という、さかなクンにしか進めない道を切り開いていく——という物語です。

この映画が伝えているのは、「好きなこと」「得意なこと」「市場のニーズ」の3つが重なり合わないと、商売として成り立ちにくいということ。まれに好きではないけれど得意で、ニーズにも恵まれて成り立つ人もいますが、さかなクンのように3つの中心にいるのが理想です。私の場合は「車は好き」「コミュニケーションが苦手で営業は得意でない」「高度成長期〜バブル、良い人脈、市場ニーズには恵まれた」。だから何とか定年までやってこられた、というわけです。

離職率が高くなる4つの理由

  1. 厳しい「数字(ノルマ)」のプレッシャー…新車・中古車の販売台数だけでなく、車検、自動車保険、クレジットカード、JAF加入など、月ごとの多くの目標が精神的負担に。
  2. 土日祝に休めない勤務形態…来店が土日祝に集中するため基本は平日休み。家族や友人と予定を合わせにくく、結婚・育児を機に土日休みの業界へ転職するケースが目立つ。
  3. 会社と顧客の「板挟み」ストレス…納期遅れや故障、値引き交渉で、メーカー・店舗側と顧客の間に挟まれ、タフな交渉やクレーム対応を強いられる。
  4. 給与(インセンティブ)の変動幅…売れば稼げる実力主義の反面、景気や地域差、EVシフトなどで売れ行きが左右され、収入の安定を求めて退職する人も。

▶ 営業マンに課されるノルマの具体的な仕組みは、カーディーラー営業マンのノルマ事情についてで詳しく解説しています。

進む「二極化」|ホワイト店舗とブラック店舗

近年は人手不足が深刻化し(自動車営業の有効求人倍率は9倍超)、労働環境を劇的に改善して離職率を1桁台に抑えた「ホワイト化」ディーラーと、従来通りの厳しい環境で離職が止まらないディーラーとの二極化が進んでいます。違いを生む主な要因は4つです。

要因ホワイト店舗ブラック店舗
評価制度基本給が高くチーム評価制基本給が低い完全個人成果主義
休日完全週休2日、有給も取りやすい週1定休、休日出勤・電話対応が常態化
DX(効率化)CRMや電子契約を導入し残業削減手書きノート・紙伝票・飛び込みでアナログ
資本力メーカー直営・メガディーラーで法令遵守地場の独立系・中小で改善の余裕なし

業界全体の労働環境分布は、おおむね「2:6:2」と言われます。

比率離職率の目安
ホワイト・優良層約20〜30%年間10%以下、新卒3年15%未満
中間層(改善途上)約50〜60%業界平均の15〜25%付近
ブラック・旧態依然層約20%30%以上の危険水域

もし特定のディーラーがホワイトかブラックかを見極めたいなら、「年間休日数(115日以上が目安)」「定休日の日数」「口コミサイトでの元社員の評価」をチェックすると、ある程度の予測が可能です。

30年前は「ブラックのフルコース」だった

30年前(1990年代半ば)の労働環境は、現代の基準から見れば「ほぼ100%過酷なブラック環境」でした。当時はそれが「当たり前」で、誰もブラックという言葉すら使っていませんでしたが、現代の若者がやれば数日で退職を考えるレベルでした。

私の場合は午前8時20分出社~午後10時退社がルーティンワークでした。毎週水曜日は定休日で休みですが隔週代休の午前中には車検引き取りや納車の準備で出社している状態です。

商談時のエピソードとしては、当時はまだお客様の自宅での商談も多く、普通にアポ無しで夜に訪問してました。年末の駆け込み需要時に夕方から3件のお客様から契約を頂き、帰社したのは午前1時前でした。ショールームのソファーから店長が「お帰り」と目をこすりながら起き上がって来たのを憶えています。待ってた店長にも驚きますが、アポ無し訪問で夜遅くに自宅に入れてくれて、契約までしてくれるお客様にも驚きですよね。良きも悪きも、熱心さとしつこさが紙一重のある意味おおらかな時代です。現在なら完全に全部アウトですね。

項目30年前現代
休日名ばかり。休日も私服で客先へ直行が美徳完全週休2日、振替休日を強制取得
ノルマ・指導「売れるまで帰るな」怒鳴り・机叩き日常茶飯事パワハラ防止法で一発アウト、チーム制
自腹自腹購入や損失補填が半ば強制労基・コンプラ違反で厳格に禁止
業務紙のノート、飛び込み、深夜まで手書き書類タブレットで完結、CRMで効率化
収入歩合が高く20代で年収1,000万円超も基本給は守られるが一攫千金は難しい

30年前は「超・長時間労働」「パワハラ上等」「休日なし」というブラックのフルコースでしたが、「頑張った分だけ同世代より圧倒的に稼げる」というリターンがあったため、多くが耐えられました。現在はホワイト化で心身の安全性が劇的に高まった反面、「大きく稼げる夢」も薄れたため、どちらが良いかは一概に言えない側面もあります。

辞める理由の「質」も変わってきた

労働環境がクリーンになった近年は、辞める理由そのものが変化しています。

昔の主な退職理由現在の主な退職理由
長時間労働、休日出勤会社と客の板挟みストレス
上司の激しい叱責(パワハラ)もっと高い年収を目指したい
体力的・精神的な過酷さ営業スキルの頭打ち感・キャリア不安

「このまま車を売るだけのスキルで、10年後・20年後も通用するのか」というキャリアの先行き不安から、異業界へステップアップ転職するケースが目立つようになっています。

終身雇用崩壊の時代をどう生きるか

2019年、トヨタの豊田章男社長(当時)が「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言しました。これは「日本で最も稼ぐ超一流企業ですら、社員を定年まで面倒見続けるのは不可能」という公式なギブアップ宣言であり、「会社に依存せず、自分の市場価値を自分で高めろ」という強烈なメッセージです。これは、若手がキャリア不安で異業界へ転職する動きとも完全に直結しています。

では営業マンはどう受け止めるべきか。結論は「会社や車という商材への依存をやめ、『個人の稼ぐ力(ポータブルスキル)』を磨くチャンスと捉える」ことです。ディーラー営業で培う経験は、見方を変えれば異業界でも喉から手が出るほど欲しい一流スキルなのです。

営業の経験どこでも通用するスキルへの変換
新車を売った高額商材のコンサルティング営業力(不動産・保険・BtoBでも通用)
車検誘致・乗り換え提案LTV(顧客生涯価値)を最大化する仕組み化スキル
無理難題や整備遅れへの対応高度なトラブル解決・交渉力

大事なのは「個人軸」の意識です。「〇〇会社の営業マン」ではなく「〇〇さんだから買う」というファンを増やすこと。これは転職・独立してもついてきてくれる最大の資産になります。そして、SNS集客やCRMといった新しい武器を、誰よりも早く使いこなす側に回ること。日々の営業を「ただ車を売る作業」にするか、「どこでも通用する最強スキルを磨く修行」にするかで、5年後のキャリアは天と地ほど変わります。

▶ 営業マンが実際にどう車を売っているのかは、カーディーラー営業マンの車の売り方を解説‼もあわせてご覧ください。


まとめ

カーディーラー営業の離職率は、新卒3年で約30〜40%と確かに高め。ただ「全体としては昔ほど壊滅的には辞めなくなったが、選ぶ会社を間違えると今でも非常に高い」というのがリアルな現状です。これからは肉体的なきつさは消えていく一方、IT活用や複合提案といった頭脳的な難しさ、人手不足による店舗運営のストレスが増えていきます。

2度辞めて3度目に戻ってきた私が言えるのは、結局は「好き」「得意」「ニーズ」の重なりと、支えてくれる人との縁が、長く働ける土台になるということ。トヨタ元社長のメッセージは絶望ではなく、「実力で勝負する時代の幕開け」です。この記事が、これから車業界を目指す方にも、今まさに悩んでいる営業マンにも、参考になれば嬉しいです。楽しいカーライフをお過ごしください。

自分の趣味が営業につながる|コミュニケーション下手でもOK!!

冒頭で述べたように、私は店長と社長によってディーラー営業マンに復帰させて頂きました。この事は本当に感謝しています。そしてスタッフやお客様にも恵まれたおかげで定年まで営業マンをやってこれました。

人とのコミュニケーションが苦手な私ですが、コミュニケーションの苦手を気にせずに付き合える関係がある事に気づきました。29歳から始めた海のルアーフィッシングがきっかけで、行きつけのルアーショップを中心にどんどん輪が広がっていったのです。仕事とは離れた趣味の関係という事もあり年齢、職種関係なく普通に会話するのが新鮮でした。

やがてお客様とも一緒に釣行するようになり、そこからどんどん車の紹介も出てきて仕事にも繋がりました。なんだか釣りバカ日誌のハマちゃんみたいな感じですね。お客様の歯医者の先生から誘われて沖縄の久米島、石垣島、与那国島にも行きました。沖縄本島は観光で何度か行きましたが、離島はまた別物で時間が止まっている、もしくはスローモーションで流れている不思議な感覚が魅力的です。営業を長く続けてこれたのも、こういった息抜きの場があったからではないかと思います。一緒に釣行してくれたお客様にも感謝申し上げます。

石垣島 ロウニンアジを狙って釣行

久米島のパヤオ メバチマグロ

久米島の瀬 カンパチ

与那国島 Dr.コトー診療所で有名な西崎灯台

石垣島ツアーガイド All Blue(オールブルー)

住所:〒907-0024 沖縄県石垣市新川2462-1
TEL:080-6497-8208
受付時間 :8:00~20:00

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皆様に楽しんでいただけるように、何回参加しても飽きないツアーを目指しています。


この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

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