新車購入は人生で3回でOK!?その理由を元カーディーラー営業マンが解説

新車購入
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皆さんこんにちは、元カーディーラー営業マンです。皆さんは人生で車の乗り換えを何台されますでしょうか?

20歳から80歳まで車に乗ったとしたら、その年数は60年になります。10年に1度乗り換えるとすれば生涯で6台。ご家族の乗り換え台数も考えれば、かなりの台数になります。以前の記事でも解説させていただきましたが、一生涯にかかる車の費用は、家の購入費用にも匹敵します。

車の乗り換えのタイミングは、その人の価値観や生活スタイル、家族構成、資金状態により人それぞれです。ただ、車という維持費がかかる大きな買い物を合理的に考えて、かつ人生の満足度を下げない方法を、35年以上カーディーラー営業マンをしてきた私が、ひとつの基本パターンとしてお伝えします。

あくまで基本パターンなので、人それぞれパターンは変わると思います。基本的な軸として考えていただければ幸いです。

先に結論を書いておきます。

  • 20歳〜75歳の55年間を、中古車1台+新車3台=合計4台で設計するのが、ひとつの基本形
  • 1台15年サイクルは、現代の国産車なら十分に現実的
  • ただし13年目からの税金と部品の供給期限という2つの壁がある
  • 3回のうち1回は「浪費」に振っていい。全部を合理性で固めると、後悔が残る
  • 最後の1台は安全装備で選ぶ。60歳で買う車は、75歳まで乗ることになる

人に問う前に、まず私の場合|19歳から63歳までに買った新車は9台

人に「3台で足ります」と言う前に、まず自分の実数を出しておきます。

私は19歳から63歳の現在まで、私1人で9台の新車を購入しております。この中には、営業マンをやめていた時期に購入したジムニーも含まれています。

つまり営業車として購入したのは8台で、1台につき4年以上乗っている計算になります。会社から営業車を借りていた期間もありますが、デモカーや試乗車を兼ねて年間30,000km近く走る商売道具としては、長く乗っている方です。

ここで正直に書いておかなければならないことがあります。カーディーラー営業マンには、営業車手当てやガソリン代、税金や保険の補助が会社から出ますので、実質的な自己負担はざっくり半分程度です。そうすると、4台+ジムニー1台の5台が、一般の方の感覚に置き換えたときの「私が今まで購入した台数」なのかもしれません。

項目実数補足
購入した新車の総数9台19歳〜63歳の44年間
うち営業車8台1台あたり4年以上
うち完全な自家用1台(ジムニー)営業マンをやめていた時期
年間走行距離約30,000kmデモカー・試乗車を兼ねる
会社の補助手当・ガソリン・税金・保険実質自己負担はざっくり半分
一般の方の感覚に換算約5台自己負担ベース

商売道具として年間30,000km走って4年、という乗り方は、一般の方の乗り方とはまったく違います。年間10,000kmの方なら、同じ距離を走るのに12年かかる計算です。「私は9台買いました」という数字は、そのままでは参考になりません。だからこそ、一般の方の基本パターンを、ここから改めて組み立てていきます。

その前に|生涯で車に使うお金は、家1軒ぶんです

なぜ台数を減らす話をするのか。理由は単純で、1台減らすだけで数百万円が浮くからです。

日本自動車工業会の2025年度の調査によると、新車の平均購入価格は普通車で331万円、軽自動車で196万円となっています。10年前と比べてもかなり上がりました。

区分新車の平均購入価格(2025年度)
普通車(乗用車)331万円
軽自動車196万円

出典:一般社団法人日本自動車工業会「2025年度乗用車市場動向調査」

下取りを差し引いた実質の持ち出しを1台あたり250万円としても、生涯で6台買う人と3台の人では、車両代だけで750万円の差が出ます。これにローンの利息が乗れば、差はもっと開きます。

維持費まで含めた生涯総額は、車にかかる一生涯のお金はいくら⁉普通車・軽自動車を50年間で徹底比較で細かく計算しています。結論だけ書くと、2000ccクラスを50年所有すると約5,300万円、軽自動車でも約2,410万円。人生の3大固定費(住宅・保険・車)のひとつと言われるのは、こういう理由です。

生涯の新車購入台数シミュレーション|60年を何回で割るか

まずは単純な割り算から。20歳で免許を取り、80歳で運転をやめると仮定したドライバー期間60年を、乗り換えサイクルで割ってみます。

乗り換えサイクル生涯の所有台数実現の難易度
5年サイクル12台常に新しい車に乗れるが、費用は最大
7年サイクル約9台車検3回目で乗り換える典型的なパターン
10年サイクル6台「10年10万km」の目安で乗り換える人
13年サイクル約5台税金が上がる直前で乗り換える現実的な形
15年サイクル4台非常に現実的。現代の国産車なら十分可能
20年サイクル3台条件付きで可能。走行距離が少ないことが前提

ここで、実際の日本人がどれくらい乗っているかも見ておきましょう。自動車検査登録情報協会の統計(2025年3月末現在・軽自動車を除く乗用車)では、次のようになっています。

指標数値意味
平均車齢9.44年今、路上を走っている車の平均年齢
平均使用年数13.35年新車登録から廃車までの平均

出典:一般財団法人自動車検査登録情報協会(2025年3月末現在)

注目していただきたいのは「平均使用年数13.35年」です。これはその車が廃車になるまでの年数であって、最初のオーナーが乗った年数ではありません。ただ、日本の車は平均して13年以上使われている、という事実は動きません。しかも平均車齢は33年連続で高齢化しており、車はどんどん長く使われる方向に進んでいます。

つまり「15年乗る」は、特別に無理な話ではないということです。私が営業マンとして見てきた実感でも、13年・15年と乗られるお客様は決して珍しくありませんでした。

【基本パターン】中古車1台+新車3台|20歳から75歳までの設計図

ここからが本題です。私がひとつの基本パターンとしてお勧めしたいのは、75歳で免許を返納することをゴールに置いた「中古車1台+新車3台=合計4台」という設計です。

年齢・期間車の選択所有期間この時期のポイント
20歳〜30歳程度の良い中古車10年運転に慣れる時期。コストを抑え、新車用の資金を貯める
30歳〜45歳新車 1台目15年結婚・子育てなどライフスタイルの変化に対応する
45歳〜60歳新車 2台目15年子どもの独立と仕事の成熟期。好みの車を選べる
60歳〜75歳新車 3台目15年最後の新車。安全装備を最優先で選ぶ
75歳免許返納—無事故のまま安全に運転を引退する

この設計が良いと私が考える理由は、3つあります。

理由① 20代の10年間で、資金の助走ができる

営業マン時代、20代前半のお客様に新車のローンを組んでいただくことは何度もありました。ただ、正直に言うと20代でフルローンを組んで新車を買うのは、家計への負担がかなり大きいです。

20代の10年間を程度の良い中古車で過ごし、その間に貯めておけば、30歳で最初の新車を現金または頭金たっぷりで買えるようになります。同じ車を買うのに、支払う利息がまるで違ってきます。

ここで大事なのは中古車の選び方です。10年乗るつもりなら、「3年落ち・走行3万km以内」といった状態の良い車を選ぶ必要があります。10年落ちに近い安い中古車を選ぶと、20代後半で修理費がかさんで、結局トータルでは高くつきます。

この「程度の良い中古車」の有力な選択肢が、新古車や試乗車上がりです。中身と価格のカラクリは新古車・試乗車上がりは本当にお得なのか?で、営業マンだった立場から包み隠さず書いています。

理由② 15年ごとの区切りが、ライフステージの変わり目とほぼ一致する

これは営業マンをやっていて、本当にそう感じます。30歳・45歳・60歳という区切りは、多くの方にとって生活が変わるタイミングです。

  • 30歳:結婚、子どもの誕生。後席とチャイルドシートが要る車へ
  • 45歳:子どもが大きくなる、あるいは独立が見えてくる。大きさの見直し時期
  • 60歳:定年・再雇用。走る距離が減り、乗り降りのしやすさが効いてくる

車を「モノの寿命」で乗り換えるのではなく、「生活の節目」で乗り換える。この考え方にすると、無駄な乗り換えが自然に減ります。

理由③ 75歳をゴールに置くと、最後の1台の選び方が決まる

80歳ではなく75歳をゴールに置いているのには理由があります。

警察庁の統計では、2025年の運転免許の自主返納は43万5,067件で2年連続の増加。そのうち75歳以上が26万915件と全体の約6割を占めています。75歳以上の免許保有者は2025年末で835万人あまりです。

75歳という年齢が、返納を考え始めるひとつの節目になっているのは間違いありません。もちろん80歳を過ぎても元気に運転される方はたくさんいらっしゃいますし、返納するかどうかはご本人とご家族が決めることです。ただ、計画を立てるときの区切りとしては75歳が現実的だと私は思っています。

なぜ「3回」で足りるのか|15年乗るときに立ちはだかる3つの壁

「15年も乗れるの?」という不安が当然あると思います。結論から言えば乗れます。ただし、あらかじめ知っておくべき壁が3つあります。ここを知らずに「15年乗るぞ」と決めると、途中で計画が崩れます。

壁① 13年目から、税金が上がる

これが一番はっきりした壁です。日本では新車登録から13年を超えたガソリン車は、自動車税と自動車重量税が重くなります(ディーゼル車は11年超)。電気自動車やハイブリッド車などは対象外です。

税金通常13年超18年超
自動車税種別割(1,500cc超2,000cc以下・年額)36,000円41,400円変わらず
自動車重量税(1.0〜1.5トン以下・車検2年分)24,600円34,200円37,800円
軽自動車税種別割(年額)10,800円12,900円変わらず

※2015年3月31日以前に新規検査を受けた軽自動車の通常税額は7,200円です。税制は改正されることがあるので、最新は各自治体・国土交通省の情報でご確認ください。

数字で見ると、自動車税の重課は約15%、重量税は13年超で約39%、18年超で約53%の増加です。

ここで多くの方が誤解するのですが、この増税額は、乗り換える理由にはなりません。2000ccクラスの車で13年目から15年目までの3年間に増える負担は、自動車税が年5,400円×3年=16,200円、重量税が車検1回で9,600円。合計で約26,000円です。

新車に乗り換えれば、数百万円かかります。2万6千円を惜しんで300万円を使うのは、計算が合いません。営業マン時代、「13年で税金が上がりますから、そろそろ乗り換えを」というトークは実際に使われていました。今だから正直に書きますが、あれは乗り換えの決定的な理由ではありません。きっかけとして話題にしているだけです。

壁② 部品の供給が、いつかは終わる

こちらのほうが、実は深刻な壁です。

メーカーの純正補修部品には、供給が続く期間の目安があります。法律で決まった年数はありませんが、国産車の主要な補修部品で「その車の生産終了からおおむね10年プラスα」というのが業界の一般的な目安です。スバルは公式サイトで7〜10年を目安と案内しています。ディーラーオプション品や内装の小物類は、もっと早く終わることもあります。

ここで大事なのは、「あなたが買ってから10年」ではなく「その車種の生産が終わってから10年」という点です。

  • モデルチェンジ直後に買った場合:その型が5年売られ、そこから10年。買ってから約15年は比較的安心
  • モデル末期に買った場合:買った翌年に生産終了。そこから10年で、買ってから11年目には部品が心配になることも

これは営業マンとしてお客様に必ずしも説明してこなかった話ですが、15年乗るつもりなら、モデルチェンジ直後の車を買うほうが有利です。値引きはモデル末期のほうが大きいので、ここはトレードオフになります。値引きの考え方は元カーディーラー営業マンが教える新車値引きの限界額とは?でまとめています。

なお、エンジンやミッションといった基幹部品は、走行距離がそれなりでもきちんと整備していれば15万kmくらいは十分に走ります。車の寿命そのものについては車の寿命は本当に10年10万㎞?元カーディーラー営業マンが教える本当の寿命で詳しく書きました。止まるのはたいてい車ではなく、部品と気持ちのほうです。

壁③ 生活が変わると、車が合わなくなる

そして、これが一番大きい壁です。

独身時代に買ったコンパクトカーに、子どもが2人できてチャイルドシートを2つ載せる。子どもが独立したのに、8人乗りのミニバンに1人で乗っている。膝や腰が痛くなってきたのに、乗り降りのしづらい車に乗り続ける。車は壊れていないのに、生活に合わなくなるのです。

私が提案した「30歳・45歳・60歳」の区切りは、まさにこの壁を避けるための設計です。15年という期間は、たまたま部品の供給期間ともライフステージの変わり目とも、うまく重なっています。だから15年サイクルを基本形としてお勧めしているわけです。

このパターンが当てはまらない人|正直に書いておきます

基本パターンをお伝えする以上、当てはまらない方についても正直に書いておくべきだと思います。次のような方は、無理に3台に合わせないでください。

こういう方現実的な考え方
年間20,000km以上走る15年で30万km。エンジンより先に足回り・内装がもたない。10年サイクルのほうが現実的
雪国・融雪剤の多い地域下回りのサビが寿命を決める。15年は厳しいことが多い
海沿いにお住まい塩害でサビが早い。防錆処理をしていても年数は縮む
仕事の商売道具として使う私がそうでした。信頼性と見た目が仕事に直結するので、短いサイクルは必要経費
都市部で駐車場代が高いそもそも所有しない選択が有利な場合がある
年間走行が5,000km未満レンタカー・カーシェアとの併用のほうが安くなる可能性が高い
車そのものが趣味乗り換えること自体が人生の楽しみ。台数を減らす意味がない

特に最後の1行は大事です。車を所有し、自由に乗り換えていくこと自体に人生の豊かさを感じる方もいらっしゃいます。その方にとって「生涯3台」は、節約ではなく我慢です。

3回のうち1回は「浪費」に振っていい|元営業マンの本音

ここまで合理性の話をしてきましたが、私は「全部を合理性で固める」ことをお勧めしません。

35年以上営業マンをやってきて、一番後悔されているお客様は、無駄遣いをした方ではありませんでした。「あのとき、あの車に乗っておけばよかった」と言う方でした。

お金は後から稼ぐことも貯めることもできます。しかし「20代の体力」「40代の感性」「60代の自由な時間」は、その年齢のときにしか存在しません。ここが、車という買い物の難しいところです。

だから、3台のうち1台だけを「好きな車」にする

私がお勧めする折衷案は単純です。新車3台のうち、どれか1台だけを「本当に乗りたい車」に振る。残りの2台は実用と安全で選ぶ。これでメリハリがつきます。

乗りたい車のタイプ体力的に一番楽しめる時期理由
マニュアルのスポーツカー、車高が低く足の固い車20代〜30代前半硬い乗り心地と低い着座位置に体が耐えられる。腰痛が出る前
大型SUV、上質なセダン、長距離が楽な車40代〜50代資金の余裕と運転の快適性がちょうど噛み合う
オープンカー、長年の憧れだった車60代〜70代前半時間のゆとりができる。ただし安全装備と取り回しは要確認

この表を見て、ご自身の「乗りたい車」と現在の年齢が重なっているなら、そこが買い時です。重なっていないなら、無理に今でなくていい。

判断のサインも書いておきます。「長距離運転の翌日に疲れが残るようになった」「夜間の運転で見えづらさを感じる」「腰が痛くて低い車に乗り降りするのがつらい」。こうした変化を感じたときは、ハードな車に乗れる時間が限られてきたサインです。

ただし「見栄で買う」は、満足度が下がります

ここは営業マンとして、はっきり書いておきたいところです。

納車のとき、お客様は本当にうれしそうな顔をされます。ただ、その喜びが「人に見せたい」から来ている方と、「自分が乗りたかった」から来ている方とでは、その後がまるで違いました。

比較項目見栄・承認欲求で選んだ場合本当に乗りたい車を選んだ場合
満足の基準他人の評価(他人軸)自分の価値観(自分軸)
一番うれしい瞬間人に見られたとき・褒められたとき一人で運転しているとき・眺めているとき
時間の経過日に日に満足度が下がる乗るほど愛着がわく
維持費の感覚「見栄のための出費」で負担に感じる「楽しむためのコスト」として納得できる

理由は3つあると思っています。

  • 他人の反応はすぐ冷める:買った直後は「すごいね」と言われますが、数週間から数か月で誰も何も言わなくなります
  • 上には上がいてキリがない:見栄が基準だと、もっと高い車と自分を比べ続けることになります
  • 維持費の支払いだけが残る:満足感が消えたあとも、税金・保険・ガソリン代は毎月出ていきます

「良い車に乗って人から認められたい」という気持ち自体は、悪いものではありません。仕事のモチベーションにもなります。問題はその比率です。自分軸7・他人軸3くらいなら健全ですが、自分軸1・他人軸9になると後悔のリスクがかなり高くなります。

判断する方法はひとつだけです。

誰も見ていない一人旅でも、この車を運転していてワクワクするか?

ここに「YES」と言える車なら、多少高くても後悔しません。

リセールバリューは「気にしすぎない」のもひとつの正解

浪費と割り切って買うなら、リセールバリューを第一基準にしないほうが満足度は高くなります。

「売るときに高いから」という理由で人気の車種や白・黒のボディカラーを選んでも、本当に欲しかった色や形でなければ、所有する喜びは半減します。さらに「走行距離が増えると査定が落ちる」「傷がついたら下がる」と神経質になりすぎて、ドライブや旅行を気兼ねなく楽しめなくなるのは本末転倒です。

ただし、実用として選ぶ2台についてはリセールを見る価値が十分にあります。15年乗るつもりでも、事情が変わって5年で手放すことはあるからです。どんな車が値落ちしにくいかは、車のリセールバリューとは?元カーディーラー営業マンが教える損しない車選びの極意で解説しています。

もうひとつの手として、乗りたい車を新車ではなく「5〜8年落ちの中古車」で買う方法もあります。値下がりがすでに落ち着いているので、数年乗って手放しても損が少なくて済みます。憧れの車に乗る方法は、新車購入だけではありません。

最後の1台は「安全装備」で選ぶ|60歳で買う車は75歳まで乗る

この記事の中で、私が一番強くお伝えしたいのがここです。

60歳で買う3台目の新車は、75歳まで乗ることになります。つまりあなたが70代で運転するときの安全は、60歳のときに選んだ装備で決まるということです。

ここだけは、値引きや燃費より優先してください。具体的には次のような装備です。

  • 衝突被害軽減ブレーキ:夜間の歩行者や自転車にも対応する新しい世代のもの
  • ペダル踏み間違い時加速抑制装置:前後どちらにも効くタイプ
  • 全方位カメラ:駐車のストレスが減り、擦る事故が目に見えて減ります
  • アダプティブクルーズコントロール:高速道路の疲労が大きく減ります
  • 乗り降りのしやすさ:シート高、ドアの開き、グリップの位置。15年後の自分を想像して座ってください

安全装備はメーカーごとに名前も中身も違います。何がどこまでできるのかは安全運転支援システムって何?メーカーによって何が違うの?で解説していますので、最後の1台を選ぶ前にぜひ読んでみてください。

もうひとつ正直に書くと、安全装備は15年で確実に進化します。60歳で買った車の自動ブレーキは、75歳の時点では「15年前の技術」です。これが気になる方は、60歳と70歳で2回に分けて、最後だけ小さくて安全な車に乗り換えるという設計もあります。その場合は生涯4台になりますが、それは十分に意味のある1台の追加だと思います。

そもそも、その乗り換えは必要ですか

営業マンとして書きにくい話を、最後に書いておきます。

以前の記事カーディーラー営業マンの車の売り方を解説‼|元営業マンが明かす5つのアプローチの中の「そもそも、本当に乗り換えが必要か」という見出しでも書きましたが、営業マンが勧める乗り換えのタイミングと、お客様にとって本当に必要なタイミングは、必ずしも一致しません。

車検が近い、税金が上がる、新型が出た、下取りが今なら高い。どれも本当のことですが、どれも「今すぐ買い替えなければならない理由」ではありません。

そして私自身、9台買った中に「この車は買う必要がなかったかな」と思う車があります。営業マンだから台数が必要だった、という事情もありました。それでも、振り返ればそう思う車があるのです。

だからこそ、この記事で書いた「中古車1台+新車3台」というパターンを、ひとつの物差しとして持っておいていただきたいのです。物差しがあれば、「今回の乗り換えは、この物差しから見てどうか」を自分で判断できます。

まとめ|基本パターンは「軸」であって、正解ではありません

ここまでの内容を整理します。

  • 20歳〜75歳を中古車1台+新車3台で設計するのが、ひとつの基本パターン
  • 日本の乗用車の平均使用年数は13.35年。15年乗るのは特別なことではない
  • 13年目からの増税は3年で約2万6千円。乗り換えの理由にはならない
  • 本当の壁は部品の供給期限と生活の変化。長く乗るならモデルチェンジ直後に買う
  • 3台のうち1台は「本当に乗りたい車」に振る。全部を合理性で固めると後悔が残る
  • 見栄で選ぶと満足度は下がる。「誰も見ていない一人旅でもワクワクするか」で判断する
  • 60歳で買う最後の1台は、安全装備を最優先で選ぶ

合理的に生涯の新車購入台数を減らして、浮いたお金を他の人生の豊かさに使うのも良いでしょう。また、車を所有し自由に乗り換えていくこと、そのものに人生の豊かさを感じる人もいると思います。中には都市部にお住まいで、車の所有そのものが必要ない方もいらっしゃるでしょう。

ちなみに私はと言えば、75歳以降に「終の車」としてジムニーを買うかもしれません。合理性で言えば、その年齢で新しい車を買う必要はないのかもしれません。それでも、そう考えるとワクワクするのです。それもまた、ひとつの答えだと思っています。

いずれにしても、車は高価な買い物だけに、後で後悔しないよう自分の気持ちと向き合って、購入を慎重に検討してください。貴方のカーライフと人生が豊かで素晴らしいものになれば幸いです。


この記事を書いた人:元カーディーラー営業マン(現・再雇用サラリーマン)35年以上、カーディーラーの営業マンとして数千人のお客様の車選びをサポート。3年前に定年退職し、現在は同じ会社の別部署で勤務中。現場で見てきたリアルな情報を発信しています。

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